叙事詩的な世界の中で、魅力的な人物たちが絡み合う

蒼い髪の王子が生まれたとき、王国は太陽に繁栄を約束される――。

そう言い伝えられるアルヤ王国に「蒼き太陽」が生まれた。その名はソウェイル。しかし、彼は双子だった。金髪の弟の名はフェイフュー。彼らが6歳になったとき、王国は戦火に包まれる。王都陥落の日、伝説の神剣を抜くことができた「十神剣」の1人である少女将軍ユングヴィは、ソウェイルを連れて脱出を試みる。

フェイフューは敵の占領下で養育されていた。月日は流れ、彼を王として国を再建しようとする人々が動き出す。しかし「蒼き太陽」は生きていた……。

近世の中東を思わせる架空の世界で繰り広げられる、壮大な物語です。

ファンタジーでありながら、国の制度、文化、言語、衣服に至るまで、きめ細やかに設定されていて、実際にそんな国があったんじゃないかと思わせるリアリティを持っています。政治的な駆け引きや戦乱、暗殺など、シリアスな場面も多い一方で、女子会を楽しむかのようなのどかな回もあり、知性とユーモアのバランスが良い感じ。

個人的に、この作品で好きなのは、キャラクター同士の人間関係です。

作中で9年の時間が経過しているんですが、6歳だった双子は15歳のイケメンに成長し、16歳だったユングヴィは25歳のお姉さんになり……。キャラクターの成長に伴い、性格や直面する問題が変わり、人間関係も変わっていく。作者さん自身が、いろいろな場面や思いを経験して大人になった人だろうな、と分かる感じです。

週2回の更新なので、まだまだ追いつけます。今のうちにどうぞ!

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