大切にとっておいた思い出を、ちょっとした冒険心と危ない事に挑戦する勇気が必要だったゲームセンター通いと言う思い出を、コインを投入して追体験してる気分になれるヴァーチャル感のある小説です。 ほんのりと薄暗くて、電子音がうるさいくらいで、ちょっとタバコ臭くて、それでもあの場にいると言うワクワク、ドキドキは何物にも代え難い体験でした。 人の思い出を仮想体験するのって、自分の思い出と重ねてしまって、何か甘酸っぱくなってきちゃいますよね。
私よりも前の世代のお話ではあるのですが、いつの時代もこのようにしてゲーセンにはまっていくのだなあと共感。その描写がやけにリアルに感じられました。ゲームタイトルや本のチョイスも秀逸です。マーブルマッドネス、マイコンBASICマガジン。最高です。やっぱりあのトラックボールに手は挟みますよね……。
不良の影に脅え、集団から身を隠し、ワンコインで旅に出る。大音量の中、ゲーム画面に映るのはもう一人の自分。無くしたお金の数だけ得た経験地を武器に、ノーコンティニューのクリアを目指す。難しい。だからこそ、おもしろい。久しぶりにゲームセンターに行きたくなる、そんな作品。追加3/19最後まで読みました。意外な展開もあり、ちょっと驚きましたが、最後の終わり方も良かったです。一度もプレイしたことがないので、今度『スペースハリアー』を携帯ゲーム機でプレイしてみようと思いました。
スペハリ、マーブルマッドネス、ツインビー、ついでにベーマガ……嗚呼、どれも懐かしい。当時は自分もこの主人公のようにゲーセンに入り浸って……はいませんでしたねw だって本当に不良の溜まり場で怖かったもん。今のメダルゲームに老人が群っている光景からは考えられないかもしれませんが、そんな「ゲーセン=不良が行くところ」という時代を知っている人ならば、あの頃にしばしタイムスリップできる作品です。特に「STAGE-3」のゲーム攻略シーンは、あの頃の熱さが伝わってきて貪るように読みました。続きが楽しみです。
自分は、パズルゲームとシューティングゲームは得意ではなかったですね。時代が90年代に入り、シューティングゲームから格闘ゲームに移り変わった頃の世代というか、龍虎や初代餓狼やストリートファイターなどをやっている兄貴分の中学生たちの背中を見て育った世代ですからねえ。自分が最も夢中になったのは、得点王ですが。
もっと見る