有峰 英四郎

あるいは「自分が望む形で－」と付け加えた方が良いかも知れない。 努力が実らなかったと感じている人、実らない予感に苛まれつつ今まさに努力している人、それら全てへの本作は応援歌です。比…続きを読む

占星術についての理解がある人は、「癒されたい時は月星座と一致する作品」「スカッとしたい時は火星星座と一致する作品」などとガイドブック的に応用しても面白そう。自分は趣味嗜好を表す金星…続きを読む

至極社会的な作品。画像やスタンプの多用は勿論のこと、誰かの発言に賛同したり、拡散しただけで自己表現・表明したつもりになることも同様の悲劇性を孕んでると思います。

誰か解いてくれ。そして俺の近況ノートにでもこっそりヒントを書き込んでくれ！

この作品に利用されてる機能自体を知らなかったので、あとがきに辿り着くまでけっこう時間掛かってしまいました。
解らない人は作品を俯瞰してみて。

〈僕〉が、偶然出会った盲目の二胡弾きの演奏によってささやかな魔法を体験する幻想的掌編。イマジネーション豊かな描写が心地よい。

【設定】☆ 怪獣の出現を生業の一部に組み込んでいる人物を主人公にすることで、「怪獣が台風や地震などと同列の世界」を読者の頭にすんなり馴染ませることに成功していると思う。主人公の皮肉…続きを読む

生き場所を求める〈僕〉と、死に場所を探す〈彼女〉。そんな二人が出逢い、見出だした結論とは――。 何かの本で「名作とされる小説は必ず死か愛について書かれてる」なんて文章を読んだことが…続きを読む

キャラクターが可愛らしい。本作は読み切り短編だけど他のエピソードも読みたくなること請け合いです。

たった一人の、それも何の力も持たない少女のただただ素朴な行動がもたらした―未来。
読後は一枚の荘厳な絵画を見たような気持ちになりました。

〈転生〉にSFを愛読するという作者さんならではの捻りが利いています。

主人公の身に突如発生するスキップ現象。これにより彼は苦痛の伴うプロセスを経ずに結果だけ手に入れられるようになるが……。 自分の人生が他人事になってしまう恐怖を感じさせられました。…続きを読む

「表現」が禁じられ、客観的な事実の「記述」のみ許される未来に迷い込んだ主人公が、当時代の人物であるミヤさんと協力して突如発生した事件を解決する短編SFミステリー。 何かにつけて「…続きを読む

設定だけ読めばそこは紛れもなく鬱々としたディストピアのはずなのに、ここに描かれていたのはどんな状況にあっても生きる喜びと希望を忘れない人間の強さ。 けっして壮大なストーリーではな…続きを読む

愛と死。優れた物語には必ずどちらかはあるとされる二大要素が短い中にギュッと凝縮されています。人類の死生観を俯瞰した作者の手による、これは未来予想図かもしれない。傑作です。

とある学校の演劇部に伝わる『或る台本』。それらしきものを見つけた二人の生徒が繰り広げる会話劇がこの作品の読みどころです。セリフの応酬に作者さんのセンスの良さを感じました。

人間以上に人間らしいラナの反応がいちいち可愛い。そして彼女の最後の決断に胸を打たれる。

無駄なくテンポのいいストーリー展開と描写が秀逸！　漫画雑誌で後に人気連載となる作品の読み切り版を読んだ気分になりました。

ユーモアというのは時にある種の暴力性を発揮する。人が真剣に思い悩んでいることさえガバッと大きな口で平らげて飲み下してしまうようなそれを、本作は有している。 作中では今まさにワイド…続きを読む

作者さんが愛するクラシック音楽ないし作曲家たちの魅力が、尊敬と親しみ両方が感じられる文章でとても分かりやすく書かれています。 聴いてから読むも良し。読んでから聴くも良し。「あー、こ…続きを読む

誰の日常にもあるあの三分をここまでシリアスに、且つドラマティックに描くとは……。
文章力の高さと内容のバカバカしさのギャップに部屋でひとり大笑いしてしまいした。

登場人物たちが皆いきいきとしていて、彼等の動向を夢中で追っているうちに気づけば最後まで読んでしまっていました。私のお気に入りは聡子ちゃんと馬垣です。

圧倒的な文章力・表現力に驚かされました。作中人物たちの関係性と心情を鮮やかな手つきでつまびらかにしてみせる作者の手腕に脱帽。また、くどくない程度に適切なタイミングで挿入される比喩の…続きを読む

　閉鎖的な環境で共同生活を送る特別な子供達。この手の設定から展開される物語には〝残酷な真実〟が付き物で、この作品も例外ではない。この物語は、言うまでもなくフィクションです。物語はね…続きを読む

あまり多くを語ると作品に不純物が混入してしまうおそれがあるので、ひとつだけ。情報を食べ物に見立てたうえでの風刺の利いた表現に思わず吹き出しました。

飾りっ気は控え目で、だけど情感的で、ほどよく官能的な文章が心地よい、掌編の良作です。

ラノベを読みたい太陽と、なにかと彼にちょっかいを出す小夜子。文芸部員であることが唯一の接点である二人の、不器用で可愛らしい恋模様。
いつのまにか二人を親目線で見守る自分がいました。

夏と聞いて連想するあの光景、あの瞬間に一編の物語を編み込んだ作者の発想・想像力に唸らされました。これぞ小説を読む醍醐味！