倉沢トモエ

社会の片隅にいる、不運続きで人間関係にも恵まれぬ男性がひとり、ネット上で可愛い女子になりすまし、よからぬ金儲けに手を出そうとしていたのですが。 男性の身の上の描写が秀逸なので、ピ…続きを読む

少しナンセンスな空想世界。深刻にならない主人公。名前を失う謎ルール。

この個性、好きです。

ある学校の放送部のはじまり、出会い、秘密、生徒数減少のための閉校、そして再会が静かに語られます。

温かくひそやかな語り手。

最後までいっしょに見守ってください。

撮り直しの利かないフィルムカメラで、気持ちの赴くまま刹那に感じたものを撮ろう。 そんな主人公の旅に紛れ込む、偶然出会った女の子。 丁寧な描写で伝えられる海辺の風景の中、何気ない会話…続きを読む

静かな冬の日、コインランドリーでの何気ない出会いと普通の会話。
なんでもないのですが、霙模様の空に包まれて、よい雰囲気です。

そんなに強豪校ではない。そんな吹奏楽部に一人の女の子が入部届を出すまでのお話です。 実力ある友達への憧れ、自分の実力への不安。どうして十代の頃は、ささやかな気持ちの揺れのひとつひと…続きを読む

告る→振られる。
そこから広がる、今まで見えなかった自分の、誰かの、心のあれこれ。

みずみずしいです。

助けた猫から、とんでもないことを言われたぞ？　から、それがポジティブに転じる驚愕のラスト。
私は好きです。

ちょっと未来の、可愛いラブコメ。堪能しました。

「そ、そうじゃないんだが」と、ずれてる会話に笑いながら楽しく読めました。ずれている中に、ちょっと不思議な日常の味があります。

さらっと時事ネタで笑える短編、あこがれます。

放課後のカルタ部、授業時間の生徒から競技者に変わる一瞬。描かれたその一瞬が魅力的です。

インターネット文学的というのか、スマートフォンで横書きで読む前提の表現方法を使いこなしているのがすごい。文字化けがじわじわと不穏な雰囲気を盛り上げていきます。

オチでびっくりして、くすっと笑う。
そんなショートショートが好きな方へおすすめしたいです。

おじいさん、おばあさんのお仕事ぶりの描きかたで、どんな人柄だったのかがしっかり伝わってきます。それが料理する主人公の行動に説得力を与えていて、いっしょに食卓を囲んで美味しいハンバー…続きを読む

主人公が、秘密を共有していた孤独なクラスメイトの共犯者にもなりきれず、彼を孤独に追い込んだ周りの学校や家庭には諦念がある。その距離感が、〈黄昏を盗む〉というファンタジックなイメージ…続きを読む

ホラーでもあり、身体的特徴をそのまま自らの芸とした誇りある芸人たちの群像を描いた映画でもある『フリークス（米・1932年）』に捧げられているという本作。 昭和の初期、畸型たちのう…続きを読む

森で出会える魔女は数多くいると思われますが、秋という季節とともにある魔女が、本作の魔女です。 人間とは違う尺度で動く彼女がひととき、人間の女の子と交流するのですが、巡る季節のさだめ…続きを読む

生きるために〈殺すこと〉を選んだ殺し屋・ナイツは、そのために常に虚ろなものを抱え、読書と喫茶を好む孤独な暮らしをしていた。 舞台は現実に近い、ただし異能者が存在し、暗躍する世界。…続きを読む

流行りの長いタイトル通りの内容。 ……いえいえ、心理描写の巧みなchickdenさんのこと、孤独なヒロインを、不器用な恋心、自由な心と思いやりが暖かな未来に導いてゆく展開にほっこり…続きを読む

人間のことばがまだうまく話せない子ネコーの、にゃんごろー。 にゃんごろーの可愛らしさに、登場人物も読者も翻弄されるのです。というか翻弄されっぱなしです。が！　 恐らく綿密な設定があ…続きを読む

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私はパチンコは全くわからないのですが、なぜか移る職場の先々にパチンコ好きがいて、なぜか高確率で仲良くなるので、なんとなく本作の登場人物に懐かしさを感じるのです。話していてふとした時…続きを読む

夜行列車の旅にまつわる、貴重な記録です。 旅情あふれる箇所、運行にまつわる技術的な箇所がほどよく構成され、当時の政策的な状況もわかりやすく書かれており知識も増えます。 安全な運行を…続きを読む

訳ありの出自を持つ勇者ちゃんが、酒場で飲んだくれて軽口を叩いている女魔法使いを訪ねるところから、スチャラカな仲間との、楽しくも命懸けな冒険がはじまります。 勇者ちゃんと女魔法使い…続きを読む

突然閉校を知らされてから、主人公たちはその年頃なりに、「最後の生徒」としてするべきことを考え、模索しながら、いつもの生活、いつもの行事をやり遂げていきます。 地域の伝統をどうしてい…続きを読む

『バスドライバー日誌』の姉妹編とも言うべき本編ですが、より女の子たちの心情に迫り、かわいらしいです。 ところで、 こういう、懐かしいケータイ小説っぽい文体で 本…続きを読む

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