カクヨムコン6短編小説部門【佳作】受賞作 中学三年生の優斗は、夏休みの前日に二週間前から学校を休んでいる幼馴染の家に課題を届けに行く。 彼女の部屋に案内された優斗は、彼女の右腕…

大学生の俺は同じバイト先の黒木沙織のことが気になっている。 地味で真面目なこの女を気になるきっかけは手首に残った傷痕だった。 これは一人の男の、情けなくて独りよがりな恋の物語だ…

「いちかのことが、分からなくなったんだ」 私はいつも同じセリフで恋人を失う。 原因は分かっている。 プラスチックのように動かない、仏頂面のこの顔のせいだ。 付き合う人はいつ…

夏休みのある日、憧れの同級生の女の子からメッセージが届いた。 『ねぇ、木曜日空いたからまた遊びに行こうよ』 すぐさま送り間違いである旨のメッセージが届いた。 たったそれだけ…

すべり台の下が、わたしを世界から逃がしてくれる場所だった。 降りしきる雨は、世界を隔てるカーテンのようだ。 そんな場所で出会った一人の女性。 タバコの煙が充満する小さな空間…

彼女にフラれた僕は何の気力も無くなっていた。 ようやく外出した僕は、おおきなクマのぬいぐるみを買った。

レンタルビデオ屋でバイトしている僕は気になっている女性がいる。 それは毎週金曜日に来る通称「金曜ロードショーの女」 ある日、彼女が土曜日にやってきて――。 一人の男の心の動…

新卒で就職した職場が合わずに退職して半年。 アパートの家賃も払えなくなった僕はネットカフェで生活することにした。 日雇いの仕事をしながらネットカフェで寝泊りする中で、なんとは…

憧れていた先輩とひょんなことからセックスをした帰り道。 それでもおれの足取りは重かった。

高校生一年生の洸一は夏休み、一人で親戚の家に遊びに行く。 目的はずっと好きだった美咲姉ちゃんに会うためだ。 繋いだ手と、届かない思い。 近くて遠い、そんなお話。

「佐世保さんってさ、ヤリマンなんだって」 バイト先の更衣室からそんな会話が聞こえてきた。 ふざけるな。彼女がそんな人間のはずはない。 おれは好意を寄せているそんな佐世保さんと…

軽い気持ちで受診した病院で、余命宣告を受けた。 だから僕は一日だけ、君と恋人になった。

高校生の主人公は、いつも図書室で一緒に過ごす川澄オリエが「ルナ計画」に選ばれたということを聞かされる。 ルナ計画とは、資源の枯渇が予想される地球の代わりとして月を人類が住める場…