坂本忠恆

乾いた土の上には、幾つもの蟬の屍骸。 同胞を弔ふ筈の慟哭は、却つて陽性にけたゝましい。

とある平凡なぬいぐるみと少女のお話

かつて、宇宙にはとても大きな海月がいて、大地に接して海と月を作ったという。 (5000字程度　SF短編)

大昔、戦争で使用された「兵器」によって巻き上げられた塵が空を覆った。 以来、世界から夏は消え去り、常冬が人類を蝕み続けている……。 時は流れ──人類最後の生き残りとなってしまっ…

拙アカウントのコレクション「現代中短篇」の予稿であり、改稿であり、余滴であり、esquisseです。概ねコレクション中（に収める予定）の以下の作品のvariant 〈異文〉を投稿…

旅人或乞食者猒世希死入山中時遭怕物作歌廿首 たびとあるはほかひびとのよをいとひしなむとほりてやまのなかにいりしときにおそろしきものにあひてつくれるうたはたうた

おほよそ上つ代の言の葉を用ゐて詠める歌にて須く日に異に一つづつ詠むべしと思へども何如なる事か出來らむを誰か予めかねて知りつべき

空色杯５０００字以下の部応募。 お題　立夏＆カナリーイエロー 役所お仕事系の和ファンにしたいという気持ちだけはありました。 字数が足りなくてめちゃくちゃ詰め込んだ感が溢れています。

問う。

10年前、突如人類を「琥珀病」が襲った。患者は、自らの分泌する粘液に一晩で覆われると、破壊不能な個体の中に閉じ込められる。 いつ目覚めるかわからない患者を待つ遺族たちは、患者のク…

仁治元年十月、夜陰に紛れて閑院内裏の清涼殿に現れた一羽の梟。壇所に詰める護持僧行遍僧正の弟子に捕らえられながらも命だけは助けられた梟は、やがてその恩に報いるどころか、畏れ多くも稚…

Qui es-tu?

或る日、主人公の元に封筒が届く。 中に収まっていた手紙に、彼女は置いて来た自分の心に気付く。

友人・あいら氏とのやり取りの記録。 《レギュレーション》 ・存在しない小説のタイトル・あらすじ（嘘あらすじ）を用意する ・その場で互いの用意してきたタイトルを公開する ・相手の…

副都第四鉱の底に穴が開いていた。 第10回空色杯応募作 お題「私はいま、事件の現場に来ています」 私はレギュレーションを護る！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！！…

僕は、お姉さんが大好きだけど、レギュレーション違反のお前のことは嫌いだ。 スライディングセーフかと思ったらドアウトでした。 「第９回空色杯」には何のかかわりもないです。 「綺麗な…

「『書く』ことは自己の立場を明確にさせ、したがって自己をコミットすることである」 ／高坂正堯『国際政治――恐怖と希望』（中公新書、1966年） ----------------…

ガス惑星ピラ、レベッカは島に乗り、今夜も天空へと向かう。

死の風景を描いたショートショート6篇。 2019年7月作成。

空を飛ぶ車が初めて起こした交通事故。 その妻が語る事故の真相とは。

女学生の恋

それは後進か、更新か。

　ひとりぼっちのエリザ。一回目のエリザ。 　死なない命を持ちながら死を拒む彼女を、僕たちは、異端のエリザと呼んだ。 亜未田久志さんの自主企画参加作品です。 ↓ https://…

亜未田 久志様の自主企画、SF界活性化！拡張性の高いシェアワールド！に参加するために書いた短編です。 独自解釈、まことに申し訳ない。 「真実開示パート」として受け止めて貰え…

「病葉（びやうえう、わくらば）和歌集」とは、科学全盛の現代にあって古の歌学技術に魅入られた詠者が、これに溺れて拗らせた歌や、和歌四式などの歌学書で避るべきとされる「歌病」に敢えて…

音楽家になりたかった。 巨魚を操作し、 荷物を運搬する仕事に就いていた深島は、 最後の業務に移る。

ぐちゃぐちゃにしたくなります。

台風が過ぎたら突然真夏になりました。 「残暑」なんて言葉もいつ使ったらいいのかわからなくなってしまいましたね。 第2回「エイル&クロノヒョウコラボ企画」に参加させていただきました。

整合性がとれないことに苦しんでしまうのは、どうしても避けられないことなのだと思います。

１万字、メロスが走らないだけの話です。 本当に、色々とすみませんでした。

チェーン店でやけ食いをしていた私は、止めてあった自分の車に近付く怪しい女に気付く。 １０,０００字、うっかりうさぎ星間ドロップストーリー。

日本語は系統不明と言われていますが、果たしてどこから来たのか？　そんな都市伝説です。 　--------------- 【祝！＆感謝！】 　　カテ別週間ランキング　７位…

月没海面、そう呼ばれる素粒子層が月の周回軌道に幕を張って数十年になる。 人類は、滑走船と沈降船を用い、二八日周期で現れる水面を割って、たった一つの衛星を沈めていた。 宇宙飛行士の…

https://kakuyomu.jp/works/16816927861844143511 私の尊崇する　揺井かごめ様がなさっている、「五十音でわたし辞書を作る」という企画を許…

お題：「誰にも言えない恋（恋愛）」 いつか先輩の名前を呼びたい。 そんな思いを抱きつつ、響は今日もピアノの前で先輩を待っている。

『奇跡館』に八人の男女が閉じ込められた。 八人の彼らは、それぞれに紋章権能と呼ばれる特殊な異能力を持っていた。 最も優れた者だけが抜け出すことができる。 そう明示する白い謎の…

　神のような機械『ゴッド・ライク・マシン』が存在するのならば、なぜ、われわれ人類は苦しまなければならないのか、という、SF随筆連作です。

かつては自らの〈生〉の総てを支配していたはずの、今は喪われた摂理を覓めて……。 ------ 「思い出のなかの姿というものは、一たび言葉によって定着されるや、消えてなくなるもの…

あなたはわたしだけの英雄です!!　ロマンあふれる不思議な写本の物語‼ 2,000字と少しで、サクッと読むことができます‼ このテキストは大変優れているので、識字可能な多くの人間に…

　小説家になろうに投稿されている、古口宗様の企画「書き手の視線を知りたい！」に参加させていただきました。舞台設定、人間関係、時代の全てが自由とし、下記作品の地の文を作るというもの…

京都の街で繰り広げられる二十歳の俺の恋。 全部で12章あります。原稿用紙250枚くらいの長編です。 ※2009年に発行された作品ですが、出版社との契約期間が終了し、現在は作者が…

男は自分のものでない家で目を覚まし、リビングでテレビを見る。 そうして、男の一日が始まる。 3000文字内、テーマ『絶望』に沿って書いたSS。 お題をくれたのはイラスト書き…

二〇〇〇年から少し経った、第二文明末期。地球を大災害群が襲い、ほとんどの歴史の証は消え去った。選ばれた少数の人々は宇宙基地に逃れて六〇〇年間の冬眠につき、その間に地上に残った人…

二百有余年の泰平を謳歌する爛熟の江戸。 あらゆる遊興の類が世に繚乱し、人々は挙って戯作や芝居の乱脈に酔い痴れ、歌舞音曲の享楽に耽って華やいでいた。一方、武門にあっては、微睡みの…

会いたくて涙が出るほどの、恋をしていた。 「久しぶり」 クリスマスが過ぎ、新しい年の始まりが差し迫った年末。 ずっと避けていた故郷を、久々に訪れたその時。 イルミネ…

　宇宙内の暗黒エネルギーの増加によって、宇宙の崩壊＝ビッグ・リップにいたった世界。崩壊した多元宇宙はそれぞれにまざりあい、おれの家族はそれぞれのおもいでの場所にたどりつく。おれは…

　 「外は、危険なんですよ。害虫がいっぱいいるから」 訳のわからないまま、天才医学者の妹に監禁された透は、常軌を逸する感覚遮断と長期におよぶ拘束によって、廃人のようになってい…