@52Isana

化石のこと、彼らが生きた太古の海のこと、 夏に生き秋に死んでいった虫たちのこと、 にせものの夜空のこと。 雪の夜に海底を歩く少年たちの静かな物語。

キジノメさん（＠kizinome）との合作。いただいた短文から連想してうまれた作品です。

のあと「ぼく」は、たまに世界逃亡をする。 海百合海月（Twitter:@marobideru_)さんと共通のお題で書いた作品です。 お題は、「 ふと、窓辺の花が咲かなくなった…

　なんでわたしたちはモノを作るのだろう。表現することを捨てられないのだろう。 　傷ついて苦しんで、なお惹かれてやまない芸術という深淵。とらわれてしまった人たちはどのような生をた…

　地上は毒に侵され、人間が住めなくなって久しい。 　かつて栄えた文明の芸術と学問を守るべくそのシェルターは築かれた。素質と血筋、才能を管理され自由のない暮らし。けれど疑問を抱く…

　足元から崩れた土と共に、わたしは斜面を滑り落ちた。 　目を覚ましたところは名も知らぬ集落。世話をしてくれた娘に声を掛ければひどく怯えられ、悪夢に叫べば住人が様子をうかがいに来る…

致死性発光症という病が蔓延した世界。患者は末期になると光の粒と化し、骨も残さず散る。身近な人が、あるいは自分がその状況にあるならば何を思ってどう動くのだろう。 ひとつの世界で紡…

世間はついに、他の命を消費することを否定した。はたして人間は「食べる」ということの罪を消し去ることができるのか。 書物を読めさえすればよかった男と、とある若い女の邂逅。 ＊謝辞…

接点なんてないはずだった。あたしは地味な漫研部員、そいつはステージに上がるたび黄色い歓声を受ける軽音部員。 で、その手にあるのはうちの部誌だろう。なんであたしのページを的確に開い…

聞きわけの良くない娘、ゆき子と人ならざる「手」の物語。 手と指で男女の契りを交わす世界、大人になることは手袋をすることだった。魔除けの刺青を入れることだった。 家と大人の決まり…

宇宙で死んだ僕は、新たな身体で地球へと帰還しなければならない。 だから「僕」を作った…。 自分とは何か？ 「僕」は誰なのか？を自問する「僕」と、人間であるカスミとの愛と哀しみの物…

　職を失った僕は平日昼間の住宅街で、かつて憧れた先輩の姿を見る。彼女、坂島栞は“物語を書き続けなければ頭蓋骨のなかを花に支配されて死ぬ”病を抱えているという。 　生きているうちに…