@1978

服部怜(れん)は或る日、事件現場でやる気のない女刑事と出会う。 彼女には、人と違うものが見えているようで――。

　旧校舎。 　ダムに沈む予定だった廃村。 　幽霊階段。 　ようやく閉じられた空間を抜け、真実を求め、彷徨う明路たち。 　だが、封じられた記憶と、強く甦る前世の記憶に蝕まれ―…

高校二年生の佐々木明路(あける)。 彼女は登校途中にある階段がいつも気になっていた。 雨の日に通ると、そこに血痕が浮かび上がって見えるのだ。 祖父の形見の腕時計をつけ…

「……勇者さんが死んでます」 魔王との最終決戦を控えた前夜。僧侶が放った一言が、エンディング間近のシナリオを狂わせた。 戦士、僧侶、魔法使い、盗賊、黒騎士、賢者、神官、弓使…

　あの小学校のときの事件から十数年、美弥たちは『近衛探偵事務所』を設立したが、なかなか軌道には乗らなかった。 　来る依頼は、インチキ霊能者と化した瀬崎浩太からの事前調査ばかり。…

　晴れた日でも、その屋敷の周囲だけがじっとりと湿って見える、通称、雨屋敷。 　そこは生きている人間と死んでいる人間の境界が曖昧な場所だった。 　遺産を巡り、雨屋敷で起きた殺人…

学園祭のあと、残ったメンバーで肝試しをはじめた。 幼なじみのイケメン、柊と回ることになった澪だが。 赤く染まった校舎にサイレンが鳴り響き――。

「雨宮……。 　俺は静かに本を読みたいんだっ。 　此処は職場かっ？ 　なんで、来るたび、お前の推理を聞かされるっ？」

　既に自殺している殺人の容疑者から自供を取るべく、警視庁から依頼を請けた北嶋心霊探偵事務所だが、警察機関では特殊心霊調査部隊が存在し、そこの隊員でも死者からの自供は然程難しい事で…

　年末に来た依頼が全ての歯車を狂わせた。 　それは厄災。天災レベルの化物との戦い。北嶋の仲間達も次々と『最凶』に厄を振り撒かれる。 　銀河最強の王の出現に、北嶋はどう立ち回るのか…

　あるとき芽生えた特殊な仏眼相により、手を握った相手が犯人かどうかわかるようになった阿伽陀晴比古。 　だが、最近では推理は、助手、深鈴に丸投げにしていた。 　そんな晴比古の許…

　映画ロケ中の廃墟寸前のホテルで、女子高生の晶生(あきお)は男前の詐欺師の霊と出会った。 　遠藤と名乗るその霊は、晶生に、今から此処で人が死ぬ、と告げる。 　予言通り、二階で…

　美弥たちが通う小学校の図書室には、代々受け継がれている怖い話の本があった。 　それは生徒たちが書き込むもの。 　誰にも見られないように書いてもいいし、みんなで怪談を作りながら…

険しい山間の寒村。絶望的な孤立と飢餓が、やがて村人たちを狂気の因習へと走らせる。

高校生の英治はある日、仲間たちと「競争」をすることに。それは「誰が一番すごい悪事を働くか」という犯罪の競い合いだった。窃盗、強姦、殺人……次々に驚くべき悪事を為す友人たちの度肝を…

小説幻冬にて2022年７月号から連載されております。 こちらは連載前の旧バージョンです。 2023.3.8（水）に幻冬舎より単行本が発売されます。

どんなに気を付けていても異常者から逃れられない栄子。 栄子はこのまま地獄に堕ちてしまうのか。

「最初の１体」は、2016年6月、 南米ブラジル北東部のアマゾン川流域都市・マナウスで見つかった。 死傷者527名――CNNのインタビューに応じた、顔面に重傷を負った生存者はこう…

中学最後の夏休み。映像コンクールに応募すべく、僕らは誰も撮ったことのない作品を作ろうとしていた。 そんな時。偶然手に入れた『荊棘（おどろ）』と名付けられた禁断の映像。 その狂…

　人類の祖、アダムを退けてから数日後、ヴァチカンのアーサー・クランクから依頼があった北嶋だが、自分の家の事で忙しいと豪快に断る。 　しかし、依頼はイギリスに現れた悪魔の事。流石に…

『新人はもれなく一週間前後で消えていく』。 時給に釣られ、25歳フリーターの袴田さんが勤めることになったのは、自殺の名所のど真ん中に建つ、いわく付きのコンビニでした……。 コ…

　卜占と陰謀により斎王となった成子(なりこ)は、清らかであるべき斎宮に悪霊が蔓延っていることに驚く。 　成子は、夜な夜な訪れる霊のせいで、おちおち寝てもいられない。 　警護の…

突然送られてきた差出人不明の謎のメール。あと四十九日から始まって、毎日一つずつ減っていく数字。 萌は底知れぬ不安の中、家族にも相談できずにいた。