「純文学短編」を含む小説

短編の純文学です。 円城塔賞のために加筆しました。

彼は、感情を持たなかった。

第10回古賀コン応募作品。 テーマ:「ぼくにもできそう」 ひたむきに花を育てることの美しさと醜さ。

カクヨムコンテスト11短編・応募作品。 現代ファンタジー系童話を書いてみました。 全3話。 楽しんでいただけたら幸いです。

ミハシは一度なら事故だと言う。

才能への絶望から三度目の梅雨を部屋に引きこもる澪。ある雨の日、澪はガラス瓶の中の紫陽花から、不可思議な「聲」を聴く。

　放課後の美術室。美術部員の僕はただ一人、キャンバスに向き合っていた。 　描くのは一匹の猫の絵。色んな角度から、既に何枚も猫の絵を描きあげている。 　猫の名前は「カリン」。少し前…

幼馴染のフキから夜中の三時に電話がかかって来た。車を出せと言う。

やる気出したじいさんが肉を食う話です。人間である以上みんなが抱えているであろう苦しみを、豚肉と一緒に咀嚼して胃の中に流し込めるような作品であれたら幸いです。 裕里さんの肉フェ…

子供の頃の勘違いというのは意外にも長く残り続けるもので、時間が経って間違いに気づいた後も無意識のうちにその勘違いを正当化しようとしてしまうらしい。今が、まさにその状態だった。 （…

ガタガタ言いません これが本音です！ 消されるかもね

「オゾン生贄」とは、地球のために死ねる名誉あるお仕事のこと。 今よりも、地球温暖化がずっと進んだ未来では、ボロボロのオゾン層を修復するため、「オゾン生贄」という職業が人気を誇って…

ある日不登校の少年が親の説得に耐え切れず家を飛び出してしまう。そこであった男性に生きるを学ぶ…

朝が生まれた。梨紗子は毎朝、そう口にした。 くじらの胃の中のようにすっぽりと開けた空間が広がる家で夫と2人で暮らす梨紗子。以前は明日美という名の娘と三人で暮らしていたが、今はも…

レオナルド・ダ・ヴィンチの『モナリザ』、あの絵を始めて見た時、なんて怖い絵なんだろう、と思った。 あの絵を見てからというもの、彼女の姿が頭から離れなくなってしまう。 ご飯を食べて…

冬の大三角形を思い出しながら、わたしたちは屋上で星を見ていた。 掌編です。

​運慶が木の中に仁王を見出したように、僕は記憶の中に、過去の少女を見出す。 過去の少女を美しさを、形として残そうとする男の話。

溶けた翼では『真理』を信仰できないか。 イカロスには成れないか？ これは“真理”を追求する男たちの魂を賭けた叫び。 地動説が最愛なる師である天動説を殺すお話。

うだるような夏の日。出不精で配信者の「私」が外に出たのは、一枚のハガキが届いたからだった。差出人は、仕事上の付き合いしかなかった同僚。 でも、そのハガキは私を外へと連れ出した。

看護管理室で日常化したハラスメント。 そこへ追い打ちをかけるように、家族を襲った震災。 大切なものはなにか—— 小さな声が組織を変えていく。 信念が未来を紡ぐ物語。