「満月の夜」を含む小説

満月の夜、神社で拾った白いうさぎは喋った。 「月から逃げてきた」と名乗るその存在は、 やがて訪れる〈月災〉の到来を告げる。 月災は街を壊し、人を消す――だが、 翌朝には記録も記憶…

アンティークな二眼カメラを使いタイムリープができる犬猫探偵ルミ。今日も犬猫探しの傍ら行方不明の母を探す。しかし迷い猫のプルート探しをきっかけに、壮大な物語に巻き込まれる！「御猫伝…

何世紀にもわたり吸血鬼の脅威に脅かされ続けてきたクリステア王国。 その辺境で暮らす貴族令嬢エリシュカ・カタルジュは、最愛の兄アルフレートと美しき友オフェリアの結婚に胸躍らせてい…

──満月の夜に、街外れの丘の大樹の下で会おう。 そう約束していたユーリは、安い酒と縁の欠けた器を持って、夜道を歩く。 大樹の下で、孤児院で幼馴染だったカイルとの再会を果たした。…

　全寮制の中高一貫校・聖ユディカリア女学院の高等部に編入した乙川瑠璃（おとかわるり）は、姉妹制度によって、かつて一目惚れした「女神」・黒宮薫子（くろみやかおるこ）と擬似姉妹になる…

　僕には、君が今どこにいて、何をしているか、知る方法も、権利もない。 　僕と君の関係は、名前をつけられるようなものではなかったと思う。 「――爽太！」 　満月をみるたびに、僕を呼…

婚活で出会って五ヶ月。恋愛経験のない柏木は、いつも想いを伝えられない。 満月の夜、震える声で告白する。 その言葉に秘められた想いとは——。 不器用な二人の、優しい恋の物語。

ベランダから空を見上げる。 右目ではもう、光の一部としか見えない。 両目で見る“最後の月”。

　鬼が人の肉を必要とする年齢を「喰齢」（くいのとし）という。 　彼らは八年ごとに、人を食わねば生きられない。 　最初に迎える「喰齢」は八歳。彼らはこれを「食べ初め」と呼ぶ。 …

「私の復讐を手伝ってもらえる?」 神官の娘でありながら、禍々しいアザゆえに 十四歳で生け贄として森に捧げられた霧花。 満月の夜、彼女が出会ったのは、 銀灰色の髪と血の色の瞳を…

九年続いた秘密の関係は、満月の夜に再び燃え上がるが、その幸福は長くは続かなかった。奈緒が逃げ込んだのは、匿名で輝けるゲームの世界。一方、「僕」はその光に近づこうとして、劣等感と誤…

【SF短編連載】俺は山城亮樹。警視庁刑事部捜査一課、狼男関連凶悪事件対策班。通称、「狼班」の刑事だ。 　狼男の存在が公に認められてから、十年になる。人口の０．０００１％程度、狼男…

満月の夜、狼に変身した領主の娘は屋敷を追放された。 人間と獣人、どちらの社会にも居場所がない彼女は「ルプス」と名を変え、港町の娼館に身を寄せる。 密輸の手伝い、騎士団の書記、大商…

満月の夜にだけ地上へ降り立つ人魚の伝説。碧い瞳に見つめられた者は、心を奪われ、海の底へと沈む――。 最愛の姉を失い、復讐を誓った少女・成宮海空（ﾅﾘﾐﾔﾐｿﾗ）は復讐相手を待ち伏…

　何にしたってどの時代にしたって力さえあれば好き勝手出来るから、自分を天才だと信じて勉強してるんだろう――つまり義人は腐った世の中にうんざりしていた。彼にとって嫌いでつまらないば…

辺境の小村で暮らす5歳の少年オラフ。水汲みや老馬シャリーン、鶏の世話を日課とし、母マヤと兄トーマスと共に慎ましい生活を送っていた。戦で父モスを失った家族を支えたいと願う彼は、満月…

満月の夜、名を馳せた怪盗アルトが再び動き出す。彼の目標は、旧家エルミア伯爵家の秘宝「ルナの涙」という青いダイヤモンド。それは、先日オークションで注目を浴び、今夜だけ特別展示される…

満月の夜。闇に蠢く獣が躍動し、今日も何処かで人が死ぬ。 　真なる吸血鬼の娘「愛理」は吸血鬼狩りの魔術師「零士」と出会う。自らの身体の中を流れる黄金の血を狙う吸血鬼から身を守るた…

ひきこもりの男子学生・翼の元へやってきた赤毛の魔女・エレナ。10年前の約束を果たすためにきた、とエメラルドの瞳で宣言した。約束を果たすために超久しぶりに家からでる翼。夜の風は肌寒…

満月の夜、少年カイは一人の少女と出会う。彼女は「サカサマの世界」から来たという不思議な存在だった。空が海で、海が空のもうひとつの世界。カイは、数年前にいなくなった父親を捜しに裏の…