「幻想 色彩」を含む小説

" 夢と現実、幻と醒めの境界線上を漂うような詩篇の連なり。 色彩と情景が重なり合い、多層的で夢心地の世界観が広がる一方、孤独や無常、愛の有り難みなど、人間的で根源的な問いにも向…

初めまして、天川裕司です。 ここではシリーズでやってます『夢時代』と『思記』の原稿を投稿して居ります。 また、YouTubeドラマ用に仕上げたシナリオ等も別枠で投稿して行きます。…

わが子の喪失がくらい影を落とす夫婦。炎が照らす、幻想的な雪の夜道でふたりが出会った奇跡とは。ちょっと大人なビターテイストホラー。 【KAC20247】のテーマ「色」。 ※まつ…

事故で家族を亡くした少年・白崎拓矢はある日、夢に現れた青い光の天使・瑠水(ルミナ)と出逢う。自らを幻想の神の娘「彩姫(イリア)」と名乗る瑠水と契約を結んだことから、拓矢は瑠水と魂…

桜の咲き誇る春の夕刻。 女と男は、見慣れていながらも、よくは知らない町を歩いていた。 「いいじゃないですか」 それが女の口癖だった。 桜の色彩、匂いの濃淡が、遠い過去を呼び覚ます…

その男は全ての音に旋律を見出した。楽器が出す音だけではなく、人や生き物、物質が出す全ての音を好んだ。 男は物理的な空気の波ではなく、色彩や感情、行動や現象にも音を見出していた。 …

廃墟で踊る少女の足は、瓦礫で傷つかない。 夕暮れに佇む少年の色彩は、橙色に染まらない。 ふたりと出会ったのは、時代も性別も感じさせない衣装の大人。 ひとの形を持つ、人間ではないも…

アヤノモリには、白い虎の神が住んでいた。 とある国の静かな森の中で、神は千年ぶりに己と会話する少年達と出会う。 彼等は国一番の芸術家を目指しているのだと語り…… 孤独と矜持、色彩…

　その街は灰色を印象としていた。 　透きとおっているわけでもなく、霞んでいるわけでもない。曇っているわけでもなく、ぼやけているわけでもない。透明度はひどく高く、彩度だけがひどく低…

　街にはこの日のために集まった人々が溢れかえっていた。露店が並び、道端であれどこであれ、楽器が掻き鳴らされ、人々が踊っている。鮮烈な色彩の服飾がゆらめき、伸びやかな手足の首で跳ね…

　ふたりがけのシートが向かい合っているボックス席に、ぼくはひとりで腰掛けていた。 　車窓は夕焼けを切り取っていた。もしかすると朝焼けなのかもしれなかった。黄金に朱を流しこんだかの…

鄙びたその地にましませる聖き御山のふもとには、東と西に分たれたる対の小国が根付いている。 東領の領主の血を継ぐ瞠（みはれ）は、『獣返りの子』と呼ばれる異形である。 たとえ一族の…