概要
そらごとにそらごとを重ねたら、なにになるのだとおもう?
ふたりがけのシートが向かい合っているボックス席に、ぼくはひとりで腰掛けていた。
車窓は夕焼けを切り取っていた。もしかすると朝焼けなのかもしれなかった。黄金に朱を流しこんだかのような、鋭い色彩が満ちていた。やわらかな赤の蕾が藍色を食みながらひらいたかのような、淡い色彩が満ちていた。
いまは、いつなのだろう。
「きみ、暇でしょう」
顔をあげると、向かいの席に、セーラー服の少女がいた。いつの間にか相席の乗客ができていた。
車窓は夕焼けを切り取っていた。もしかすると朝焼けなのかもしれなかった。黄金に朱を流しこんだかのような、鋭い色彩が満ちていた。やわらかな赤の蕾が藍色を食みながらひらいたかのような、淡い色彩が満ちていた。
いまは、いつなのだろう。
「きみ、暇でしょう」
顔をあげると、向かいの席に、セーラー服の少女がいた。いつの間にか相席の乗客ができていた。