「実存主義」を含む小説

それぞれの求める揺らめいた光へと ──── 日本という名のアスファルトがオレ達の世界の片隅だった。 【全３６話　毎日投稿　２０時投稿】 ※プロローグは近況ノートに記載してお…

文学フリマ東京41に出品する本のサンプルです。サークル名は「Solaris」、ブース番号はT-29です。

深夜2時、ドアを叩く音がした。 覗き穴から見ると――そこには、俺がいた。 傷だらけで、血まみれで。 「開けろ。お前を殺さないと、俺が消える」 それは、明日の俺だった。 目覚…

三ヶ月前、恋人の蓮は交通事故で死んだ。 葬式にも行った。冷たくなった彼の顔を見た。それは、確かな現実だったはずだ。 なのに――今日も、LINEに通知が来る。 「ごめん、返信…

無色の日常を生きる僕は、ある雨夜、ゴミ箱で眠る少女と出会った。琥珀色の瞳は、まるでかつて窓辺で見かけたあの黒猫のようだった。彼女は羽留と名乗り、「北海道から来た」と飄々と言い放ち…

15時起床。 カップラーメンの湯が西日に反射し、詩人は夢の続きを書き始める。 彼のタイムラインには、「残業」「昼メシ」――“ニセモノ”があふれている。 愛する相方は働きに出る。彼…

死後の世界はこんなにうるさいはずではなかった。 タチバナ・ミナミは、雲や天使、ちょっとした審判を期待していた。しかし、目を覚ますと、古びた木造の寮にいた。壁紙は剥がれ、壁は薄く…

デントン・ホワイトという男が自分の意識の中で凍りついて横たわる病院に手紙が届いた。それは空手道場と時間旅行、砂漠の温度計と娼婦たちが遊ぶピンボールマシン、狂人が知恵を見つけ、正気…

文学部で実存主義を研究する理沙と、理学部で論理実証主義を学ぶ咲。 相反する哲学を持つ二人は、大学の七不思議を調査するうちに惹かれ合っていく。 しかし、キャンパスに潜む謎は、二人の…

彼の全ての詩には深い孤独、悲哀が鳴り響いている。彼の実体を理解し得る者が誰もいなかったのである。彼の「詩論」は宇宙論にまで及んでいるが、主観的想像力によるものである。ポオの才能…

人類滅亡後の世界で、完璧な理性と秩序に支配されたアンドロイド社会を舞台に、地下クラブ「Quantum」で踊る一人のアンドロイド、AX91001（エル）の物語が展開される。彼女は伝…

主人公の日本人男性は、ある日、バンコクのホテルで目覚める。日本から逃げ出し、自由を求めてこの地に来たはずだったが、彼の魂は依然として満たされていなかった。 ある夜、彼は古びた仏像…

　友達のいない朝日睦はいつもの日常を何の疑いもなく過ごしていた。時に感じる孤独をネットやSNS、推し活なんかで誤魔化していたのだが、とある日ヤクザの自死を目の当たりにしたのをきっ…

実存主義哲学者のサルトルの愛したカフェがあり、芸術家のピカソのアトリエがあった場所であり、ノーベル物理学賞受賞者のマリー・キュリーの生まれた場所でもあるフランスの巴里で、主人公の…

汚れの無い無機質な白の壁に囲まれ、また、天井の隅には威圧的な監視カメラぶら下がり、くたびれた僕達を軽蔑するように覗いていた。あの球体のカメラの奥では、調査員か誰かがモニタリングし…

【第1回カクヨム短歌・俳句コンテスト短歌の部】二十首連作部門　応募作品 ボクたちの実存

KAC2023 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2023～ 参加作品 お題：ぐちゃぐちゃ ※話自体は実際にあったことなのでエッセイジャンルを 選んでいますが、…

模範的な少年に、夕暮れの光が差す。何かが変わっていく。実存主義小説に、もう一度解釈と批判を与える。