「奇書」を含む小説

皇帝の七男アシュレイは、竜の目と白い腕という異形に生まれついた不遇の青年だ。 厳しい兄は彼に剣術を仕込み、軍人として生き繋ぐことを勧めていたが、残念ながら彼の才能は剣よりスコップ…

全五話に渡り描かれる、矛盾に矛盾を重ね無限に円環する奇妙な構造宇宙。至上の言語実験SF。 ――例えばSという少女がいる。少女が分裂すればそれは§と表され、二つに割れるか串刺しに…

――真実の倫理は、効果的な数多の虚妄の上に出来ている。 ごく平凡な少女 黒鳩空は、屋上で出会った、多重人格と噂される自傷癖の美少女 白雪楓に一目惚れをする。 謎多き彼女が所属する…

激しい雨の中、傘を持ちながらも、ささずに濡れて立ち尽くしていた絶世の美少年、長坂小倫は小姓となり、明石城の殿の寵愛を受けることとなるが、小倫には秘密があった。 ※１６８７年刊行…

警察官の『俺』は、証拠品として押収された『その本』にこれから目を通すところだった。イワクツキのそれを目の前に、しかし恐怖を感じていない『俺』はコーヒーを手に表紙を捲る。――照明が…

そろそろ読む準備はできましたか？ これはあなたの本当の願いを叶える物語。 【ルビヤの石(予言篇+黄金篇+真紅篇)】 登場人物一覧https://kakuyomu.jp/work…

　記憶喪失の僕を苛む、『人魚姫』のごとく美しき少女の夢。 　僕は僕を取り戻すために、失踪したミステリィ作家である叔父を追って、『人魚伝説』のある山奥の隠れ里へと向かうが、そこには…

如何なる問にも真実で答える預言者がいた。 「この世界を作ったのは人間である」 哲学者の問に対する預言者の答が全ての理をオムファロスの密室に閉じ込める。 一方、色数山荘と名付けら…

動物のように動き回る植物「マンドレイク」で村おこしを企画した村、亡き息子が残したゲームの謎に挑む父親、芸術家肌の王と家臣たちが巻き起こす騒動、物語をしながら果てしない旅を続ける一…

大学生の渋川清右は古本市で「月暦仏滅御伽物語」なる古書を手に入れる。 その夜、清右は海辺に立っていた。 目の前には亀、そしてそれをいじめる子供たち。そう、それは浦島太郎の世界。…

筆者が考えていることを述べよと言われても、僕にはわからない。 ただ、この言葉は美しいかと問われれば、僕は即答できるだろう。 僕は考える。僕自身のこと、すれ違う人のこと、好きな小…

　クリスマスの賑わい溢れる12月、れんげの通う学校に赴任した、新たな英語講師。 　同じ頃、女生徒に散発しだす、謎の昏睡事件。 　れんげは講師に疑念と「気配」を感じ、調査しようとす…