「仕事 掌編」を含む小説

空を見上げて涙を流すような歳でもないが、こうも見事な縹色をされるとまったくこれから出社というのが嫌になってくるのだった。

さぁ、次はどんなものを持って帰ろう。 「ただいま」とお父さんの声がする。ひさしぶりに会えるのがうれしくて、わたしはげんかんへと走っていった。今回はどんなおみやげなのか楽しみだなぁ。

【男の人向け、エロなし】 イクラをどう料理するか、からスタートした構想。舞台は各国大使館御用達の出版社。 そこにめっちゃ美形の新人が配属された。アナタは彼女の誘惑から逃れることは…

　佐和子は硝子屋の倅を見るたびに頬を染めていた。 　彼は普段寡黙で黙々仕事をしているから、佐和子が家業の手伝いで蕎麦を持っていっても気が付かない。すっかり硝子に夢中で、昼夜問わ…

昔話です おとぎ話です 対象年齢は10歳以上といったところでしょうか？ 貧しくともこころのきよい少年のお話です 毎日、時計塔の整備に通う少年のもとへ天女があらわれました 彼女…

家族、仕事、友情、すれ違い、ささやかな幸福。 魔法も怪異も出てこない、現代の日常を題材にしたショートショート集です。 きれいごとだけでなく、少し苦い現実も混ぜながら書いていきます…

午前零時。 残り二時間の仕事と、半分だけ残った甘い飲み物。 外に出れば解決できると知りながら、動かないことを選ぶ「私」。 この夜、透明な容器に託されたのは、 集中力でも根性でもな…

1話完結の動く小説たちです。 出版不況で小説が売れないので、逆に小説のほうを動かすことにしました。 ある日、身に覚えのない小説がやって来たり、小説の向こう側に行ったり、登場人物が…

りゅうを倒すにはお金がかかる。追い払うのはそれより、安価で済む。 だから、竜払いという仕事がある。 同一主人公による、基本的には一話完結の旅の話です。 途中から読み始めても、…

ブラック企業ホラー（※閲覧注意） 俺の名前は、楠木穣一。五十五歳。 営業部長を務めている。 十二月。 あと数日で、今年の業務は終了する。 この時期、部長である俺の使命は、た…

終わらない仕事に心を擦り減らしていた啓。 偶然出会ったパン屋の店主の温かさとカレーパンのスパイスが引き出す、忘れていた「感情」。

残業中、気晴らしにソリティアをやっていたら終電を逃していた。 「うっそだろおい。五時間ぶっ続けでスパイダーソリティアプレイしちゃってんじゃん。どないしょ」

「給料安いなぁ」 　振り込まれた25万円の給料に、そう呟いてしまった。 　5年前の俺は額面18万。手取り15万で生活していた。生きていくだけで消える金の厚みは着古したパーカー…

　心の中で男は女を見下していて、女は男を嫌っている。 「山田さん、聞いてくださいよ」 　仕事前、山田郁恵はその声に笑顔で振り向いた。

最近、頭の奥で声がする。 仕事中に助言してきたり、夜になると急に静かになったり。 便利で、迷惑で、そして……どこかおかしい。 朝起きると、身体が妙に疲れている。 PCがつけっぱ…

三十歳を過ぎて初めて正社員になった男。 仕事内容も待遇も申し分なく、会社が用意した住まいには食材まで揃っていた。 男は冷蔵庫にあった銀色の食品保存袋を開け、すき焼きを作る。 人生…

仕事帰り、喉を潤すために立ち寄った自販機。 偶然そろった数字、突然の“当たり”。 ただそれだけで、日常は静かに裏返った。 気付いた時には、見知らぬ景色の中にいた。 偶然か、選…

とある会社の新入社員研修。「社会人としての心構え」について、淳弥と沙苗は若手社員代表として講師を任される。そんなもん知らんがな、そもそも「社会人」って何だよ、と適当に喋る淳弥だっ…