学校を卒業して、三十代になるまで遊び呆けて生きてきた男性が、
ある企業に就職した話にございます。
家具備え付けのアパートまで用意してもらえて、
なんと食料付き。
家具も高級。……いやいやいや……どんな企業だよと。
そしてそんな生活を続けていくとー……案の定な結末が待っておりまして。
この話を読んで、思い出したのは、
結婚して就職した仲間のことでした。
比較的、この物語の主人公である男性と、似たような境遇の男だったのですが、
よく泣いてよく笑う、面倒臭いやつ『だった』のを覚えてます。
過去形を用いたのは、彼の子供が三歳くらいになって、久々に会った時のことでした。
表情が死んでたんですよ。
「大人になると、泣かなくなる代わりに笑わなくなる」
この時期で言ってた彼の言葉が今でも忘れられません。
しかし、蓋を開けてみたら、ストレス性の顔面神経麻痺だったそうです。
大人になるとは、働くとは、社会に貢献するとは、いったいなんなのか。
そんな、答えの出ない疑問をずっと考えていたことを思い出しました。
ご一読を。
30歳を過ぎたアルバイト暮らしの男を、即採用してくれる会社……これはちょっと怪しい臭いがします。
しかも会社の事業内容は不明、これほど怪しい会社もありません。
しかし、怪しい仕事は闇バイトが主流の昨今、わざわざ正社員採用を行ったこの会社はきっと大丈夫のはず!
何より、今までアルバイトだけだったので、男の社会的信用はわずかばかり……背に腹は代えられません!
しかし、男に与えられた仕事は事務作業ばかりだったようで、事業内容は不明でも問題なく働くことができた模様。
仕事に慣れた主人公は、地方の支店のヘルプを任されるように!
これは喜ばしいことです!
しかも、地方に住むためのマンションも会社持ち。
部屋はピカピカ、設備もすべて整っており、冷蔵庫内には食材も豊富!
その食材の中に銀の保存袋を発見、その中身は大きな肉の塊だ!
これは至れり尽くせり!
なんて素晴らしい会社だろう――と、思いながら読み進めておりますと……。
なんとも強烈な……おぞましい一行が待っておりました。
ラスト、めちゃくちゃ怖かったです!
是非ともご一読を!!!