「メタ・ファンタジー 短編」を含む小説

明日、勇者は魔王城へ向かう。 世界を救うため――ではなく、「勇者」という役を押しつけてくる物語と読者と作者に、どう折り合いをつけるか悩んだ結果として。 勇者に疲れた主人公が、「物…

　初めまして、人間。 　僕かい？　強いて言うなら、体と同じくらいの翼が生えていて、頭の上には光の輪が浮いている、両性具有の気怠げな天使ということにしよう。 　僕にとっては見た目な…

ふとテーマを思いつき、それをなんとかこう、短編小説にできないかなと試行錯誤した結晶となっております。是非『順番通り』に、お読み頂けたら幸いです。 毎日１９時更新の予定です。

こんにちは。 今、お時間よろしいでしょうか？ あなたに、話したいことがあるんです。

この砂漠は、「宇宙の忘れもの」を一時保管するための臨時倉庫だ。 採用されなかった世界設定、テストだけで終わった重力、意味を与えられなかった失恋のシーン。そんな“不採用案”たちが、…

心が擦り切れて一行も書けなくなった小説家・蓮。彼は再起をかけ、昔断念した恋愛小説『孤独な姫と銀の騎士』を原稿用紙に書き始める。 だが、その時、不思議な現象が起きた。自分が創り出…

ここは色とりどりの花が咲く野原。 今日も多くの花が咲き誇っている。 「私」は暗い花を咲かせる、目立たない植物。 音に敏感で、逃げられず、周りに理解もされない。 そんな…

かつて世界を創った神がいた。 だがその神は、完璧を恐れた。 わずかな“誤差”を混ぜながら、虚無に境界を引き、 「喰らえ。ただし、還せ」と命じて迷宮を造った。 世界の腐敗を防ぐた…

ゲームの中の受付嬢として転生したクロエは、何度も同じ日を繰り返す勇者たちを見送りながら、次第にこの世界の「異常さ」に気づいていく。 バグは呪い 修正は封印 神（制作会社）が止め…

暇つぶしに私の思考をChatGPTに学習してみた。そしてもう一人の私として小説を書かせてみた。

存在管理部のイザヤに呼び出された「私」は、夜、都市伝説のような話を聞かされる。それは、見た者の存在を消し、代わりに世の消したいものを一つ消すという「存在しない者」の噂だ。見えてる…

魔王を倒しても、俺は人を殺したかった。だから、殺した。勇者も。パーティメンバーも。王様も、姫も、女王も。だって俺は、殺人鬼だったから。なのに――「それでも君と、冒険がしたい」だっ…

突然、異世界人がマルマル村に現れた。 それと同時に村の皆がおかしくなり、何度も同じ言葉を繰り返し、"僕"が話しかけても反応しなくなった。 気ままな親友も、礼儀に厳しい母さんも、村…

街の灯りがぼんやり輝き始める頃、冒険者たちは足早に『ミランダの酒場』へと向かう。 そこは、戦闘で特段活躍するわけでもなく、後半になるとパーティーから外されがちな『捨てキャラ』た…

カクヨム甲子園創作合宿2025に応募したいが、ネタがなく主人公に話しかけにきた作者。これは、「主人公」と作者の「物語（？）」です。 カクヨム甲子園創作合宿2025お題「メタフィ…

母との約束を破った少年は、全てを失った。 彼が最後に見たモノは一体なんだったのだろうか⋯⋯ これは、あなたではない「誰か」の物語。

さあ魔王選手、転生！！ 勇者はまだ最初の村！四天王を送り込んで余裕をかましています！！ ……ああっと魔王選手！四天王が全滅したァアア！ これは完全に予想外の展開です！ 勇者…

とある辺境に『蒼刀（そうとう）』の異名をとる容姿端麗、沈黙寡言の侍がいた。彼は辺境を治める若領主に忠誠を誓っていたが、併合を企む大国『芹間国（せりまのくに）』の将軍の策略により若…

“ズレ”が神になる―― ちょっとズレたバイト現場に、気づけばそこにいる“ズレ神”。 これは、完璧を目指す世界に対して「それ、ちょっとズレててええんちゃう？」と囁く神の、小さくも大…

窓はモブにもならない。 そんな窓の気持ち、ちょっとだけ知ってみませんか？ けっこう苦労性ですよ、窓は。