「ほころぶ」を含む小説

夢もうつつも入り混じった幻想掌編集です。和風・東洋風のお話が多いです。

直すのは、夢じゃない。現実だ。 「夢の外注」が当たり前になった世界。副作用でほころぶ暮らしを、現実修理課が“全部は直さない”で縫い合わせる—短編連作SF。 ■世界観とルール …

（冒頭） 人は「かわいいもの」を好みます。小さな動物や赤ん坊を見て思わず顔がほころぶのは、人間に本能として備わった感情だからでしょう。弱くて守ってあげたい存在、あるいは愛らしくて…

保護装置とは、事故や操作ミスが起きた際に、機器が損傷したり人身に害をおよぼしたりすることを防ぐ、または害を軽減する装置、とのことです。（大車林より）

ブラック企業に勤め、過剰な人間関係で心をすり減らした主人公は、ある朝異世界の静かな森で目を覚ます。 
しかも身体は女の子になっていた。
初めて見る鏡の中の自分に、ほころぶ笑み──…

生まれてすぐに母を亡くした早瀬葵は、母を知らないまま大人になった。 けれど、桜がほころぶ春の日、教室に現れた父の隣には――亡くなったはずの母が立っていた。 ありえない奇跡。戸…

やだ、いいじゃん

中央島に住む少女・シキには母とのわずかな思い出がある。花もほころぶこの季節に思い出したのは——。 そして自分と母しか知らない『それ』を知るもう一人の人物。やはり彼とは特別な絆が…

独裁国家の強制収容所で生まれ育った、天真爛漫な16歳の少年・カシア。 彼は幼馴染の少年・キラと共に、助け合いながら何とか日々を過ごしていた。 そんなある日、収容所に新しい囚人が…

町の小さな民族資料館で巻き起こる、雛人形の小さな小さな物語です。

　笑わない悪女——公爵令嬢のアリアナはそう呼ばれている。 　父から『公爵家の不名誉になるから、決して笑うな』と禁じられ、いつも無表情を貼りつけているアリアナ。 　婚約者の王…

母との思い出の本を探す女性の物語です。

　祓師。それは此の世に居残ってしまった魂たちを彼の世へ送る者たち。〈祓法〉と呼ばれる異能を振るい、霊を彼の世へ還す彼らは降臨が予言されたとある霊を討つことを目標としていた。 　彼…

KAC202210のために書きました。美鞍山の桜守を手伝う女性の日記です。なお、作中の日付は旧暦です。

世は戦国時代末。弱き者は顧みられぬ。　 百姓は命が下れば武器を手に取り、足軽として戦地に駆り出される。 老人も鉄砲を持ち、女も戦のために働く。　 長い秋の夜……。

バルオキーで釣りをしていたアルドの元に、突然一人の男の子が戦いを挑んでくる。 小さな村でほぼ全員が顔見知りな村で、アルドには見覚えのない顔だった。 戸惑いながらも武器は使わずに相…

唯一女王の服を縫う事が許される“王宮裁縫師”に憧れるレリン。だが展覧会で、作品を酷評されてしまう。実力派の青年裁縫師・ドランが協力を申し出てくれるが、両想いだったはずの騎士・フ…

明るめ。 こちらもたぶん詩のようなもの。