「和風 短編」を含む小説

姉が帰って来た。 白と赤の斑模様の風呂敷に包まれた何かを抱えて。 ※一応、戦国～江戸時代くらいが舞台です。

八月十五夜、ついに月からの迎えが来る。 何も考えなくていい。 僕はただ、あの人の影武者としての使命を全うしさえすればいいんだ。 あの人の代わりに月に行き、あの人の代わりに死ねばい…

大学生の主人公は、お盆休みに両親に連れられて、12年ぶりに父の故郷を訪れる。コンビニすら徒歩圏内になく、虫の多い田舎に気乗りしないまま到着した彼を出迎えたのは、幼い頃に一緒に遊ん…

＊以下、公募用梗概のためネタバレが含まれます。 【あらすじ】 ハガネ使いの少女ミヤビは、どうしてもハガネ対戦で勝つ事ができない…。 ここは戦国時代が終わりを告げた日乃本國。ハ…

　王に仕える忍者みたいな一族の長の孫娘に生まれた、野蛮人があだ名の美少女が、歌が歌えず詩が読めず空気も読めず言動に繊細さと美しさがないため落ちこぼれの無能の君と呼ばれている、実は…

神様は名前を憶えられているほど強いと聞いて

「お見事」 ひとりの僧侶が、満開の桜を眺めて言った。 作者の頭蓋骨の中で飼育していた妄想癖を放牧したところ、収拾がつかなくなったために生まれた副産物です。…

信州、飯山藩に人質として送られた堀田珠緒は、政略のためとはいえ、自ら望んで藩に身を差し出した。 だが待っていたのは、祠に捧げられる“人身御供”という裏切りだった。 祠に運ばれた…

KAC2025の締めくくりはすこしふしぎ系離別話です。

【５話完結・約7800文字の短編です】 至瑞楼。そこは、知る人ぞ知るワケアリどもが集う遊廓。不穏で複雑怪奇な人間関係の綾糸が、絡みに絡んで蜘蛛の巣となって張り巡らされる場所である…

おあいにく、あたしの婚約者は、あたしに「あいしてる」ということばを決して言ってはくれない、つめたいひとだった。 「はなさん、はなさん」 「なあに、誠志朗」 　ご維新を経ておよそ…

「割れた面には意味はなし」そんな"ことわざ"が伝わる街、銀來町。10年前そこに引っ越してきた藤谷 紗樹。そんな紗樹、偶々不思議な世界への入り口を見つけてしまう。その不思議な世界に…

久ノ国のある町で、術師を営む美しき男、情侑。 友人の武士、立成が持ち込んだのは、差出人の名も宛名もない文。それには奇妙な夢について書かれていた。 「急がないと、この夢を見ている人…

壊滅した集落の海辺で一人で結界を護り続けている人魚、ユオのところに、侍姿の青年、シサギがやって来る。シサギは人と妖の間を取り持つ、解魔士（げまし）と呼ばれる者だった。シサギはユオ…

KAC2025第一回お題「ひなまつり」 身に覚えがないことで雀達から祝宴に誘われた話。 ※以下の話と繋がりがありますが、この話単体でもお読みいただけます。 https://k…

風通しの悪いこの町には“妖怪”が多く住み着いている。それを知らないのは人間だけ。歓楽街の端に居酒屋「さもんじ」という店の大将は不愛想な大男。その正体は太古の時代から多くのイクサを…

一人の姫君のものがたり。

お題「ひなまつり」の和風ホラー短編。 「夜にひなの間に入ってはいけない」「夜にお雛様を見たら、良くないことが起こる」 祖母にそう言われて育った桃花（とうか）は、雛人形を恐れていた…

廃寺に、古い雀の依代を使う神が住みついた。その時、村八分とされていた小僧が廃寺に辿り着く。 そんな小僧の姿に、雀はどこか惹かれるものを感じーー。 読んだ後に何処か暖かくなるよう…