「#消えたい #青春」を含む小説

　この記録は、誰のものでもない。それでも確かに存在した、誰かの心の軌跡である。 　掠れ消えてしまうような、小さく見落とされがちな影。それらを掬い上げ言葉に乗せて、その一瞬を繋ぎ止…

超名門校『聖白学園』。 誠実さをモットーであり、『評価システム』によって管理されている。 結城　莉奈は、親友２人と穏やかな日々を過ごしていたが、ある日事件が起きて──

場末の古びたボクシングジム。その一角で汗を飛ばしながら拳を振るう青年――見向手 紅（みむいて くれない）、21歳。「モテたい」との理由でボクシングを始めるが、その願いは未だ叶わな…

ーー私は異世界に行く。馬鹿げたことを言った彼女は、本当に異世界へと消えてしまった。俺、高槻珪は某日校舎に落書きをしているバンクシーと遭遇する。神戸に現れたバンクシーの名前は、碧海…

壊れる音がしない方が、壊れるのは早い。 少年は、全てが、指の間からこぼれる砂のように薄れていく日々を生きていた。 少女は、自分の時間が静かな水滴のように落ちていくのを笑って誤魔化…

孤独を抱えながら日々を過ごす少女・青澄は、ある朝、海で一人の青年アオと出会う。 どこか懐かしく、初めて会ったはずなのに心がとても静かになる不思議な存在。 彼と過ごす時間は、青澄の…

その朝、私は青い石を拾った。 海辺で見つけた、鮮やかな青い石。 母の教え通り、私はそれを海に返した。 「拾ったものは、元に戻しなさい」 正しいことをした。そのはずだった。 翌朝…

　この世界は二つある。 　一つは、私たちが「現実」と呼ぶ世界。 　もう一つは、選ばれなかったとある可能性が、淡々と生存する場所――オルタネイト世界。 　二つの世界は、決して交わら…

分かりあうってどういうことだ。優しい人ってどんなやつだ。言えなかった言葉はなんだ。

中学二年の名取総司は、神社で“ループ”――最大十日前まで時間を巻き戻せる力を授かる。 失敗は消えない記憶に変わり、二度目の自分はいつも少しだけ上手くやれる。勉強もサッカーも、そ…

高校生活のため、引っ越してきた天谷蓮。 学校生活も慣れてきた頃。 下校しようとしていた時、ちょうど雨が降る。 置き傘をしていた蓮はそのまま帰ろうとする……が、隣にいる美少女が困っ…

幼なじみのアキくんから突然、海外に引っ越すと告げられた。中学の春、胸にしまいこんだ思いだけが膨らんでいく。夕焼けの空に、わたしの思いは消えていった。

かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。 数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世…

「やったー！　カタ学合格！　ミラナと同じ王都に行けるぜ！」 国内一のエリート魔法学園へ合格した俺は、幼馴染のミラナへの恋心を胸に騎士への道を目指していた。 しかし、そんな幸せ…

あの時を覚えているだろうか、そう、あの時である。 貴方という人がどこかへ消えて無くなってしまった時である。 私はずっと覚えている。なぜなのかは分からないけど、分からないけど、ずっ…

舞台は1990年代、自分の臆病さで、二歳年下の後輩の純粋な想いを拒絶し、逃げた僕。 あの日以来、僕の青春は後悔と懺悔に満たされた。 孤独な受験期。僕のカンペンケースに残された…

「別れよう」 ——その一言で、高校生の悠真（ゆうま）の時間は止まった。 突然姿を消した幼なじみの咲（さく）。 彼女が抱えていたのは、誰にも言えなかった病――癌だった。 何もでき…

放課後、誰もいない廊下でふと聞こえた風鈴の音。 それは、もうこの世にいない“彼女”の声だった。 いつからか曖昧になっていった記憶、繰り返す日常、そして“いなくなった”友達。 彼女…

下顎に生えた、一本の長いヒゲ。 鬱陶しいので抜いてみたのが、悲劇の始まり。

写真を撮ることが好きな高校二年生・真瀬蓮(まなせれん)。 夕焼けが美しく彩る土手で、絵筆を握る少女・東雲陽色 (しののめひいろ)と出会う。 写真と絵、違う形で「色」を追う二人。 …