「化け物バックパッカーシリーズ」を含む小説

川に浮かぶ市場を訪れたふたりのバックパッカー。 ふたりを乗せたボートの下を、巨大な魚影が通っていく。 その魚影を見て、ボートの船員はその魚影について説明する。 「守り神ぃ？　本…

「……これを食ったら、早くここから出て行くんだな。もし長居するようなら……警察に突き出す」 　屋敷の部屋で目覚めた女の子に、男性はそう警告して部屋から出て行った。 　汚れで変色…

「ねえ、ひな人形、作ってよ」「おじさんと約束したもん」 とある街に存在する、人形店。 そこの店主の妹がデパートに買い出しに着ていると、双子の少女から話しかけられた。 双子の少女…

真夜中の海岸は、音楽ホールだ。 波の打つ音、地面の砂の触感、そして、夜空の星々。 この夜をロマンチックに彩る伴奏の準備は、もうできている。 この演奏会の主役の楽器は、ふたつあ…

「ケイトのお兄ちゃんは、運び屋なの。変異体さんから依頼を受けて、荷物を運ぶ、すごい“化け物運び屋”だよ」 バイクにまたがり高速道路を疾走するこの少年、化け物運び屋である。 変異…

「じょ……冗談じゃないですよ！！？」 砂漠の街で、ひとりの若者の悲鳴が響き渡った。 バンダナを巻いた若者は、フリーライターである。彼は今、取材の依頼を断ろうと必死だ。 取材の…

「イヤ、レストランジャナイ。ココハ料理場ダ。オ客サンガ自ラ調理シ、自ラ食ベル。モチロン、プロデアル俺ッチノサポートツキダ」 森の中にある、廃虚にしか見えない“森の料理場”という…

高校を見つめる女子中学生を、彼は見えないところで見つめるしかなかった。 なぜなら、彼は変異体と呼ばれる化け物だったからだ。 桜がまだ咲いていないころ、彼はふたりのバックパッカー…

変異体とは、化け物のような姿に変異した元人間である。 恐怖の対象である彼らは、見つかり次第隔離、もしくは駆除される運命である。 その変異体の駆除を請け負う“変異体ハンター”の晴…

変異体は、化け物となった元人間である。 彼らの中には、人間だったころの記憶を無くしたり、理性を失ったりする者もいる。 ログハウスの外に広がる、緑の平原。 そこで変異体に襲われた…

地球とそっくりに開発された星。 そこを旅する人間、そして化け物にも、正月がやって来た。 老人は、初日の出を待ちわびる化け物を追いかけて息を切らしていた。 太った男性は、初詣の道…

「そうか、だからクリスマスだって感じがしなかったのか」 人形店を営む青年の手に、１通のはがきが届く。 それは、彼の叔父からだった。子供のころ、彼とその妹はクリスマスの２日間、叔…

雪が振る街外れの小道。 そこに、ふたりのバックパッカーが訪れていた。 ひとりは老人、もうひとりは目の代わりに触覚を持つ化け物だった。 ふたりが雪遊びを堪能し、街に帰る頃、 化け…

変異体と呼ばれる化け物が存在する世界。 その世界を、学生風の少年はバイクを走らせていた。 彼は化け物運び屋である。 人間の目に付かないところで暮らしている、変異体から預かった荷…

使われなくなった駅に、コートを大量に着込んだ人物が住んでいた。 ある日、その駅に泊まろうとふたりのバックパッカーが訪ねてきて、コート人間はそれを了承した。 その翌日、バックパッ…

“変異体”と呼ばれる化け物が、大量発生した。 その区域に向かって、タクシーは走る。モンゴルを思い起こさせる草原の上を。 後部座席に座っている客は、商人である。 目的は、お得意様…

「この森の奥に脱衣所があって、そのすぐ向こうに温泉がある。その温泉はすごい効果だからなあ。肩こりはおろか、悩みですら運びだしてしまうほどだよ」 　島で彼らと暮らす毛むくじゃらの…

　変異体という化け物は、人から恐れられる。 　しかし、中には変異体に手を差し伸べる職業に自ら選ぶ者もいた。 　これは、そのひとりである少年の旅立ちを目撃した、ひとりの商人の思…

変異体と呼ばれる、人間が変異した化け物が存在する世界。 まもなく取り壊される廃校舎の中を、変異体の姿をした男は懐中電灯片手に歩いていた。 そんな彼らの目の前に現れた、バックパッ…

とある街のハロウィーンは素晴らしい。 そんなウワサを耳にしたふたりのバックパッカーは、森を抜け、その街にたどり着く。 しかし、彼らが見たものは紫色に光る照明、そして誰もいない道…