「春は 夏に」を含む小説

　走ることが誰よりも好きな少女、蘭。 　陸上強豪校の選手として期待された高校三年生の春に足の故障で走れなくなった彼女は、失意と共に迎えた十八歳の夏に不思議な車と出会う。 　自ら傷…

　春には桜が咲き乱れ。夏には雲が立ち上り。秋には山が色付き。冬には白い銀世界が広がる。 　そんな四季折々の美しさを持つ極東の島国・季和（ときわ）。 　 　しかし、国の安寧を祈る桜…

夏の甲子園と春の女子野球甲子園、日本プロ野球と女子プロ野球。 今や女子野球も男子野球人口に匹敵する程になった。 そんな時世の中、開かれた女子野球世界大会で日本の優勝を見て高校進学…

妖精は、大人には見えない。 男の子が初めて出逢った友達は、妖精だった。 春も、夏も、秋も、冬も、ずっと一緒だった二人。 だが、季節が巡るにつれて。 少年は成長して、大人になる。 …

そこは、大樹を中心に、四つの国がある世界。 一本の枝には、夏。涼風渦巻く土地ながら、気温は常に三十度を超える。独特の文化があり、人々は自然に根を張って暮らしている。 一本の枝…

青白し　残業帰りの　冬の月 弥彦山　霧の向こうに　鳥居見ゆ 行く雲の　速度ゆるやか　秋の空 教会の　先端光り　夏日暮 朝日受け　エッフェル塔や　天高し 行く春や　パリマラソンが　…

ロックンロールを軸に、一人の少女が変わりものの少年と関わることで変わっていくお話です。

　その年、旧王妃領の愛称でも知られるフェッロ・レジーナ州は空前の大不作を経験していた。異例の春の長雨による赤かび病の蔓延が原因だった。 　前世の記憶を持つ若き散居村の英雄オーギ…

　俺の幼馴染は、清らかな流れのほとりに住んでいる。 　頭がよくて、勝ち気で、剣道なんかやってて、しかも結構強い。 　それにひきかえ、俺は……。 　進路選択を控えた夏、俺の目の前…

　すっかりと終わっている地方の、さらに外れに位置する色あせた温泉街、浦和菓。ある旅館の息子がアメリカ留学から帰国する日、一機のセスナ機が旅館を目掛けて突っ込んでくる。 　それは息…

　私の名前は青瀬春《あおせはる》。１４歳。 　どこにでもいる普通の女の子、とは思われたくないと思っている―― 　中学三年生の受験生。 　受験生の女の子が、夢と将来と恋に悩ん…

　大学新入生の望月は、ある晩酔った担任の矢野教授と肩を組んで歩く。教授の口から戦争体験を聞かされ、神妙な気持ちになる。翌朝見た高層ビルは、破壊と建設を繰り返す人間の歴史の象徴に見…