高層ビルの下

　大学新入生の望月は、ある晩酔った担任の矢野教授と肩を組んで歩く。教授の口から戦争体験を聞かされ、神妙な気持ちになる。翌朝見た高層ビルは、破壊と建設を繰り返す人間の歴史の象徴に見える。
　望月はキャンパスで美人を見つけ、心のマドンナを見つける。矢野教授やクラスメートと文学議論をする。永山の知性や長谷川の向学心に感心する。文芸部の豊岡や阿部と交流し、人生観などを知る。
　望月は友人と京都に旅行する。高校の同級生の秋山が、好きな女が他の男と性関係にあると知って、飲んで自室で暴れたという告白を聴き、同情する。
　望月は文芸部の合宿で、信子や深雪と交流する。ホテルの部屋で内気な信子に添い寝するが、それ以上の関係は持たない。学園祭の後夜祭の興奮のあとで、望月は奔放な深雪を誘い、ホテルに入って性関係を持…続きを読む