「現代ドラマ（純文学？）」を含む小説

足の小指をぶつけた。ただそれだけのことなのに。 いつもよりも冷たくて、長くて、虚しくて。 実に、一人だ。

※縦読み推奨 ニックネーム、ジョニー。 周りは大学進学しているにも関わらず、フリーターの道を選んだジョニー。 ジョニーにだけは、かつて家を出て行ったジョージと名乗る男の姿が見え…

　緊急事態宣言真っ只中の2020年のクリスマス、会社が倒産して路頭に迷う青年、鏑木力丸は深い絶望に襲われていた。 職なし、彼女なし、友人なしと三拍子揃った非モテで非リアという不…

お酒の話です。

現代、過去、未来。 十人のまったく異なる人生が、“死と自由”というただ一つの線で静かに繋がっていく。 受験に押し潰される学生。 名誉のために死ぬ武士。 責任に壊されていく政治家…

「人生は暇つぶし」 そう嘯き、社会という巨大なシステムの中でただ摩耗していくだけの日々を送る女子大生・日野森奏。 彼女にとって、いつも隣で太陽のように笑う友人・沙也加だけが、理解…

【短編・ビターエンド】 定時後の二時間。駅裏の休憩スペースにある錆びたベンチだけが、家族に疎まれる45歳の僕の「本物の居場所」だった。 ある日、僕は余命三ヶ月の宣告を受ける。…

幼馴染の少年、冴島丈、強羅要、勅使河原一郎は東京に並々ならぬ夢を見て、高校を卒業して上京を果たした。 料理が得意で、自分の店を構えるのが夢だった丈は、飲食店に勤めながらバイトを…

ギリ純文学と呼べなくもない、読み切り数分～十数分の短編が集まったなにかです。活字ならではの語感、余韻、それらから伝わってくるキャラクターのしっとりとした心情を楽しみたい方は必見、…

1998年、秋。ウィーン。 特別な才も、恵まれた環境もない。 努力だけで音楽院への留学を掴んだ青年・芝並隆二（しばなみ りゅうじ）。 彼の前に現れたのは、 誰よりも自由に弾く天…

ええ、ええ、どうぞこちらへ。 ようこそお越しくださいました、夜遅くにおつかれさまです。 こちらではいろいろな短編をご賞味いただけます。 ちょっと不思議なお話、あなたの周りでも起…

いなくなったはずの彼女を追う男、恋煩いに悩む少女。自分の目が嫌いな男の子。 様々な葛藤の中で生きる人々を描いた短編集です。 コンテストなどに出したものも多数投稿しております！

先輩と後輩、ただそれだけの関係。それ以下でもそれ以上でもない俺たちは、お互いにお互いを押し付ける。 冬の街から始まる、曖昧な二人の話。

私は、私のことを語るとき、私と言います。 奇遇ですね。あなたも、あなたのことを語るとき、私と言うんですね。 じゃあ、あなたも私と同じように空っぽなんですね、きっと。

きっと、明日には紙面にして捨てられる。 少年少女が紡ぐ、退廃的純文学作品。

主人公菊崎優希は、人間関係・勉強・スポーツにおいて全てを完璧にこなす揺るぎないロジックで構成された日常を送っていた。彼の目の前に現れたクラスメイト「赤渕凛」に出会うまでは。彼の完…

とある家族の ひとつの命がほどけていく。 家族の記憶と、静かな“別れ”の呼吸を描いた短編です。 ※介護や死の描写を含みます。 苦手な方は、ご注意ください。

海、砂浜、森。まさに大自然。そんな中、さて、宮田はどうする。 ※一応、ガチ純文学のつもりで書きました。が、ほんの少し、非純文学的要素も、つまり既存の芸術に収まっている気がしない…

「その匂いを嗅ぐといつも昔の頃を想起した。甘くてやさしい香りだったが、少し切ない感じのする匂いだった」 移ろい往く季節を眺めていると、時の流れを感じる。だが人と花とでは、その春秋…

金曜の夜、浅草の大衆居酒屋で一人酒を呑む二十八歳の塾講師・教子。 夢を諦め、恋人を捨て、そして自分をも見失った女の胸に十年前の号砲がいまも鳴り響いている。 酔いと吐息のあいだに浮…