概要
柴田 恭太朗様ご主催の自主企画【三題噺 #128】「旅」「支」「手」参加作品
おすすめレビュー
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- ★★★ Excellent!!!お母さんが手を振った
無邪気な少年の視点を通して語られる日常。
お母さんの「手」が家事をこなし、少年に手話で語りかけます。
それは少年の心が作り出した幻想なのか、それとも……
淡々とした毎日の中に、取り返しのつかない悲劇が混ざり込む構成が見事。
冷え切った「手」を胸で温めようとする少年の姿には、ホラーの描写を越えた、切ないほど純粋な親子愛が溢れています。
つらい現実を、子供の無垢な視点が「温かい母子の触れ合い」へと書き換えてしまう。
そのギャップが、どんな凄惨なシーンよりも恐ろしいです。
匂い、温度、音など、読者の五感を刺激する描写のスパイスもピリッと効いた本作。
ぜひ、この静かな狂気に浸ってみてく…続きを読む - ★★★ Excellent!!!お母さんの手が主人公の中でずっと息づく愛を感じるホラー
この物語は、心をそっと撫でるような温もりと、背筋をひやりと撫でる恐怖が、まるで同じ呼吸の中で共存しているような不思議な作品です。
主人公にとって「お母さんの手」は、幼い頃からずっと守ってくれた優しい手。
美味しい料理を作ってくれるその手の温かさは、彼の中で永遠に生き続けています。
しかし読者は徐々に気づいていくのです。
その“お母さん”は、もうこの世にはいない。
むしろ、理不尽に奪われた存在であることを。
けれど、この物語は単なるホラーではありません。
主人公の心の中で生き続ける「お母さんの手」は、恐怖ではなく、むしろ救いとして描かれています。
悲しい事実があるから…続きを読む - ★★★ Excellent!!!「手」を通してやり取りする「小さな日常」。それはいつまで続けられるのか
子供の目を通して見る世界、というのがまた悲しさを醸し出します。
主人公の少年は、聾啞者である母と対話するために「手話」を覚えている。
その日もいつも通りに手話でのコミュニケーションをして別れるが、なぜか母が家に戻らない状態が続く。
やがて警察が家に来て、あっという間に「日常」が終わりを告げることに。
それでも、少年があくまでもそれを「悲しい」と思うことはない。少年の目には、いつまでも「変わらない日常」が続いているように感じられる。
自分にとっての一番のコミュニケーションの道具となっていた「母の手」が目の前にあり、それを通して気持ちが伝わる感じがある。
だから、何も変わ…続きを読む