論理生徒会長は非論理少女を論破できない！ 〜天才と凡人の生徒会戦線〜

春の冷たい風がまだ残る朝、極度の人見知りである少女・白石瑠香は、新しい制服に身を包み、入学式を控えた電車に揺られていた。周囲の視線に怯え、緊張で固まった表情は「クールな天才肌」と誤解されるが、本人はただ必死に耐えているだけ。
そんな彼女に訪れたのは、思いもよらぬ「最悪の出会い」――髪が、隣に立つ男子生徒の制服のボタンに絡まってしまったのだ。パニックに陥り、切るしかないと追い詰められた瑠香。しかし彼は、無言のままボタンを引きちぎり、最も合理的な方法で彼女を救う。
その一瞬のためらいのない行動に、瑠香は運命を感じ、心を揺さぶられる。だが彼――中村竜司は、彼女を「論理性の欠片もない人間」として冷静に記録していた。
人見知りの少女と、冷徹な論理の少年。誤解から始まる二人の物語は、春の風のように少し冷…続きを読む