死屍累々のその先の、魂と躰と溶けゆく記憶の物語

 ブロマンス小説を探しています。という企画にご参加いただき、こちらを拝見させていただきました。
 完結作品という事もあり、安心して一気読みし、死者の爪先まで消費してやろう貪欲さと、それらを覆い隠すかのように冷たさを深めるインゴルヌカという都市の世界観に没頭させていただきました。
 緻密な設定を崩れさせることなく乱れ打たれる死体・死体・死体の描写!物語を通して徹底的にインゴルヌカでの死者の姿が説明されることで、自然と読み進めるうちに二種類の死者の違いも頭に入り、クライマックスまで迷うことなく主人公サイゴの姿を追いかけることができました。

企画視点でいうと、本作の中核になる兄弟の遣り取りがやはり印象的でしたが、主人公と刑事さんの関係も気になります!番外編は刑事さんがメインとのことで、こちらも引き続き楽しく拝読させてただこうと思います。

その他のおすすめレビュー

遠森 倖さんの他のおすすめレビュー9