本当にすごい。どうしてこの文字数で、ここまで綿密な設定で説得力をもたせて小説がかけるのだろう。登場人物を限られた数にしていることで本筋が散漫にならないからなのか、無駄な描写が少ないからなのか。自分が同じ文字数で同じ世界を書こうと思ったら、きっと破綻する。そう思える程に文章がお上手です。
途中から先生が登場して場面が大きく変わるのですが、先生との居酒屋の描写シーンが印象的です。世俗的な描写と二人の会話から、段々とこの世界の核心に迫っていく、よりSF色が強くなっていく流れは非常に読みごたえがあります。人とは何か、意識とは何か、それをものすごく(この世界の中で)ロジカルに説明されています。層としての解釈っていいですよね。
後個人的にすごく気持ちが良かったのが、最初と最後の伐採作業員の方の描写です。エデンにも祝福が……!とぐっときてしまいました。レイの描写が少なく最後どうなったのかな……という親心のような心配も芽生えていましたが、こちら側にも幸いはまだあるのだと希望の残るエンディングでした。
素敵な作品をありがとうございました!
最後に私事になるのですが、下記サイトにてカクヨムスコッパー日記を書いており、こちらの作品を掲載させていただいております。(過度なネタバレや引用は避けるようにしています)
http://story-egoscooper.hatenablog.jp/
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