竜の手術、その四文字だけで無限に好奇心がそそられる。

ふらふらとカクヨムのファンタジー作品を彷徨っていた中で巡り合えた、初めて読破した長編小説です。
読み始めたら止まりませんでした。著者様の様々な知識から紡がれる重厚な世界観と説得力、文章力の高さもさることながら、キャラクターがそれぞれとても魅力的でたまりません。
参考文献も拝見しましたが、学びの上で裏付けされた知識で紡がれるお話程、読者の好奇心を擽るものはないと思います。
小説を読んで楽しみを得るだけではなく、知見を得ることもできるという、これほど素晴らしい体験をここで得られるのが勿体なく思える程です。

完結して随分経つ作品とは重々承知の上なのですが、それでもなおレビューを残したいと思うほど感銘を受けました。

著者様が後書きで語っていらしたように、どちらかといえば今流行りのラノベ向きなのではないかもしれませんが、エリザベス・ヘイドンのラプソディシリーズ、並びにデイヴィッド・エディングスのベルガリアード物語のような、そういった作品が好きな方々はとてもぐっとささるお話のように思います。

勝手な事とは思いますが、どうかこの作品が商業誌として本屋に並び、重厚なイラストで描かれた「竜斬の理」のタイトルを眺められる事を、願ってやみません。

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