竜斬の理

作者 齊藤 紅人

179

68人が評価しました

★で称える

レビューを書く

ユーザー登録(無料)をして作者を応援しよう! 登録済の方はログインしてください。

★★★ Excellent!!!

――

ハートだ!!!!
いやー、意外。読み終わってみると、非常にアツいハートの物語でした。
これは、大人向け骨太ファンタジーですね。
「竜の手術」という、前代未聞のテーマを描いた本作。
その手術に至るまでに、乗り越えなければいけない壁の数は2つや3つではありません。
もういくつあったかわかりません。
それらにひとつひとつ、真っ向から向き合うその姿は、まさに職人。
そのハートに共感し、熱くなれるのは、大人の特権ではないかと思います。
丁寧に作り込まれた世界観は、それを冷めさせることなくしっかりと物語の中へ誘ってくれます。
作者様をはじめとする、職人たちの集大成。
お見事でした。

★★★ Excellent!!!

――

昨夏、電撃の如く日本を震撼させた怪獣映画の新傑作「シン・ゴジラ」。特撮の迫力もさることながら、かの映画の真髄は、各分野のエキスパート達が国を挙げて怪獣に立ち向かうシチュエーションにこそある。格好良い大人達が真剣に顔を突き合わせ、知見を結集させて国難に挑むさまには、まさしく「大人が観たいエンタメ映画」とでも言うべき醍醐味があった。
本作「竜斬の理」をその「シン・ゴジラ」になぞらえて紹介したのは、カクヨムを代表する名レビュワーの及川シノン氏である。氏のツイートを見た瞬間から、私はいつか必ずこの作品を読まねばならぬと心に誓っていた。それから2ヶ月以上も間が空いてしまったが、ノベル0コンテストにエントリーされた後にこの作品を拝読することになったのは、ある種、結果オーライなのかもしれない。というのも、本作こそまさに、ノベル0コンテストが掲げる「大人が読みたいエンタメ小説」というフレーズに寸分の狂いなく当てはまる傑作であるからだ。

「あらすじ」にある通り、本作は竜の手術を主題としたファンタジー長編である。そう、ファンタジーではあるのだが、WEB小説界に氾濫する異世界なんたらテンプレ小説とは明確に一線を画す「本格の魅力」を本作は有している。
本作をそのようなものと比較するのも失礼であろうが、敢えて語ることが許されるなら――ダメな異世界テンプレ小説にありがちな特徴とは、①舞台設定が作り込まれていない、②主人公が理由もなく超人である、③大した役割のない登場人物が無駄に多い、④全体を通じて何をする話なのかが見えないままダラダラと連載が続く、などであろう。
本作には、そうした駄作にありがちな欠点が微塵も見られない。つまり、①物語の舞台となる世界の設定は極めて精緻に作り込まれており、②主人公は長所と弱さを併せ持った魅力的な大人であり、③登場人物の全員がその者にしか出来ない役割を立派に果たしてお…続きを読む

★★★ Excellent!!!

――

竜の手術がモチーフの、ユニークなファンタジー。

前半は、前代未聞の手術を成功させるため、必要な技術や器具、人材を求め、主人公が旅するロードノベル仕立て。後半が、手術実践。――こう書くとわかるように、ちょっと黒澤の「七人の侍」に構成が似ている。つまり面白くないはずがないという王道構成。

手術のために古代の竜解剖図を入手したり、竜が持つ特異な皮膚構造をどう切り裂くか検討してメス代わりの特別な剣を入手したり――。ひとつひとつ課題を解決していく課程は、まさに「冒険」。つまり本作は変わり種ファンタジーではなく、実は王道ファンタジーなのだ。

週末の一夜、ファンタジー世界に本気で没頭するならふさわしい一作と言えるでしょう。

★★★ Excellent!!!

――

斬れるわけねーじゃん(ひゃーっはっ

それでも竜を斬る必要に迫られて
いろんな人と知識を合わせて
ストーリーはすすんでいくのです

魅惑的な女性の
ぽってりした唇は好きですか?

好きな方はぜひ読みましょう。

★★★ Excellent!!!

――

とにかく最初から最後まで一気に読んで欲しい。面白い作品に出逢えた時は、ゴチャゴチャしたレビューよりもこの一言に尽きます。

とは言えそれで終わるわけにもいかないので、ちゃんとした感想も。
今作は国の命運とか威信をかけて竜を外科手術しようというお話です。
そのために宮廷所属だったり在野だったりの人材をかき集めて準備するお話です。
終盤ではもちろん手術に挑むのですか、この物語は7割近くを『手術の準備』に費やします。でもそれがメチャンコ面白い。

『リアリティ』とは現実の法則や史実に基づいたものだけでなく、『その世界でのルールに従っているか』という意味合いも含まれると思います。
この作品ではそのリアリティが深く追求されています。それがとにかく面白さを引き出しています。細かい設定だったり歴史だったり、それらが物語に必要な要素としてちゃんと語られており「ハイファンタジーってこうあるべきだよな」と感じさせてくれました。
しかしそれは本来当たり前の事であって、当たり前の事を当たり前にできているだけなんです。それがもう本当に素晴らしい。
剣術、製鉄、裁縫、解剖学、とにかく様々な知識と取材を物語の設定に落とし込んでいました。

非常に完成度の高い本格派正統ハイファンタジーといった印象でした。
とにかく最後まで読んで欲しい。ゼッタイ面白いから。強く自信を持ってオススメできる一作でした。

★★ Very Good!!

――

竜を手術というインパクトが何より凄い。
精霊や魔獣、それも回復をするようなストーリーであれば意外性はなかったかもしれない。
手術するためのいくつもの過程はしっかりと王道ファンタジーを貫いており、それが作中に登場する、この物語独特の用語をとっつきやすいものにしていると思う。

★★★ Excellent!!!

――

 こういったタイプのお話は初めて読みました。国を支える竜を病から救うために主人公であるゾッツが書物を漁り、人を探し、手術に必要な剣を一から造り上げる。
 このお話はファンタジーですが、愛らしいヒロインも派手なアクションも出てきません。出てくるのは精密な設定と、手術を行うためにひたすら本を漁り様々な人々と交渉を重ねるゾッツのひた向きさです。
 今までとは違うお話を読んでみたい。そんな人にお勧めな一作です。

★★ Very Good!!

――

2016/08/04 改稿

どうも、前回は色々と失礼な発言をすみませんでした~
ちょっと現在の自分の思うところから外れていたので、改稿させて頂きます!

と、いうのもですね。

タイトルが「竜断の理」なのに、ほとんどそこに触れていない時点でのお返事をしていました。先を急ぐあまり。
それだと「構成」や「オリジナリティ」すら判断できないので、もう少し読み進めてからレビューしようと思ったんです!

ただ、やはり今の心持ちで、なおかつ現時点で指摘できる箇所もあります。
前回読んだ部分も読み返したんですけどね!

これは自分の嗜好ではなく、独断でも偏見でもなく、やっぱり「文章のペース配分が悪い」と言うところ。
前回は自分の音響知識をひけらかす感じの、すげぇキモいレビューになっていましたがこれは訂正します。

「、」や「。」は、読者にとっての息継ぎですよね。息継ぎが多すぎると逆に疲れてしまうでしょう? リズムとかは死ぬほどどうでもよくて、やっぱり短文連続の悪点はそこに尽きると思います。
文章そのものは綺麗だし、きっと短文同士を繋げられる力もお持ちと思います故、もう少し気を遣ってみたらいかがかと!

滝の「どどど」という下りについても、前回のとおり。ペース配分が悪いせいで、そのシーンの音的心理描写を殺しちゃってます。余韻につながり辛いです。

あと良かった点を一つ。
あれから色んな作品を見回ってみたのですが、この作品の「ツカミ」は非常に良いですね。
読者の一人称で緊張感を掻き立て、こつこつと謎の図書館の歩みを進めていく描写は自然とページをめくらせます。
まぁただ自分が好きなだけかも知れませんが、多分これは新人賞公募のツカミとしても通用するものと思います。

取り敢えずは以上で。
また読み進めて、構成やオリジナリティが見えてきたら、近況ノートにでも感想を寄越しますね!
それでは!

★★★ Excellent!!!

――

竜が陣痛を起こした。寿命とは違うようだ。ならば、開腹手術を施そう……へ?

回復ではなく開腹。
竜を手術する話なんて初めて読ませて頂きました。発想が面白いですね。
さらに筆者の文章能力の高さ。架空のお話のはずが、薬草ひとつにしてもまるで目の前で葉っぱを見せられながら説明を聞いているよう。

長いお話しなので行ったり来たりでしたが、それが苦にならないのは物語として優れているからでしょう。


追伸:
生贄の少女という単語にエロシティズムを感じたぼくはエロジジイ(*^。^*)

★★★ Excellent!!!

――

竜を手術する…こんな発想、聞いたことありませんでした。
これだけで「凄い」な、と直感できます。架空の医術とはいえ、これは相当に緻密な取材をしなければ書けない代物です。
それを果敢に挑み、手術に用いる道具や魔術をクエストするという斬新な物語は、寝る時間を削られてしまいました。今日職場で居眠りしちゃったらどうしてくれるんですか。

世界設定も奥が深いです。
かつて海底に繁栄したマーフォーク、フレグマ。魔創語、魔譜。
七星列島という独特の地形、新大陸の歴史など、練り込まれた舞台背景を小出しにされるだけでも胸が躍ります。きちんと作者の世界が出来上がっています。

風俗文化にも触れており、手術に関連するとはいえ麻薬の取り扱いから、娼館の様子、果てはシャワーの仕組みまで筆を費やしているのは感心しました。

また、登場人物も熱い。
手術を行なうドゥクレイ医師、語り部役である宮廷魔術士ヅッソ。ミスリルの剣を巧みに使いこなす剣士トリヤ、歪め屋ケティエルムーンなど、一癖ある人物ばかり。

「斬の章」の冒頭で、しょげ返るヅッソに発破をかけて励ますクレナなど、各人の想いをぶつけて掘り下げるのもお見事です。

あと、この小説に出て来るお酒って、めちゃくちゃ美味しそうですね。優れた書き手は、こうした食事のさり気ない筆致も達者です。

★★★ Excellent!!!

――

最近のファンタジーに、ほぼなじみのない
私ですが、気になって 読みはじめました。
出会って間もなく、まだ7話の段階ですが
明日へのエールのため、レビュー書かせて下さい。

実はまず興味を抱いたのは、作者さまのことです。
とある作品を、レビューにて
「批評するより 必死に小説を書こう」と
一刀両断されていたのを 頷きながら読み、
この人は どんな文を書く人なのだろう、と。

一つ一つの ディテールに
写真で言うところの 質感を感じました。
素材や 肌触りを感じさせられる。
言葉だけで、それが表現できるって すごい。
部屋の描写、キスメアの魅力、革鎧の表情。
読み進む毎に 宝物が 貯まりそうです。

ハードボイルドも 書いてほしいなぁ、なんて。

★★ Very Good!!

――

物語の着地点が明確であり、かつとても興味深い題材なので、吸引力がすごいです。
しかも竜の命運=主人公達の命運でもあるため、展開に緊迫感を持たせています。
文章は淡々としていて読みやすく、随所に工夫された表現が散りばめられているので、読んでいて飽きがきません。
この先どうなるのか、とても楽しみです。
是非、たくさんの方に読んでほしい。オススメです。

★★★ Excellent!!!

――

ライトノベルの体裁を取っていて読みやすいが、正統派ファンタジーを想起させる。ある程度読んだ経験のある読者向け。
とはいえ、世界観の解説によって読み手のスピードを落とし、会話や効果音の軽さでテンポを上げるなど、各エピソードごとのバランスが心地好く、ファンタジー初心者でも楽しく読み進められるだろう。
一番謎の多い人物を主役にすえており、これが物語運びに吉と出るか凶と出るか、作者のお手並み拝見といこう。
登場人物の名前の言語に統一感が無いのはご愛敬。

★★★ Excellent!!!

――

 まずは導入部となる『0.物語』を読んで頂きたい。
 まさかの二人称である。一人称でも三人称でもなく、問いかけてくるかのような二人称。テーブルトークRPGのGMが語り掛けてくるように、一気に作品に引き込んで行くスタイル。そして、それらを生かすのはやや重い描写力。これが油絵のように鈍重で力強さのある作品に仕上げています。
 この導入部でドキドキした人なら、是非この作品に目を通して欲しい。剣が盾に叩きつけられる音、そんな音さえ聞こえてきそうな、読み応えのある骨太なファンタジーがここにあります。ウイスキーのロックを片手にさぁどうぞ。
 
 

★★★ Excellent!!!

――

王国と契約した古代竜が腫瘍に侵された。救うためには腹を開いて腫瘍を取り除くしかない。しかし、どうやって?
竜の魔法防御を突破するための再現不可能魔法の復活。それに耐えうるメスとしてのミスリル銀の剣の発注。それを扱える達人のスカウト。宮廷魔術師ヅッソは、奔走して人や道具をかき集め始める。
世界設定が豊かな広がりを見せ、様々な分野の人間が現れ、多様な背景を持つ彼らがどんなドラマを繰り広げるのか、この先が楽しみでならない。
まだ序盤ながら、期待は膨らむばかりである。

※「8.廃村」まで読んでのレビューです。

★★★ Excellent!!!

――

練り込まれた舞台設定、人物設定が読むものを圧倒します。
読み物として相当なレベルに仕上がっているので、ユニークなアイディアが一層引き立てられています。

ヅッソをはじめとするネーミングセンスなど独自の感性を発揮し、また、国の歴史なども無理なく文章に組み込まれています。

風景描写、行動描写にも非常に優れているので、ここどこ? 今のなに? と思うことがほぼまったくありません。

とにかく読むのに躊躇する必要は全くありません。是非目を通してみてください。