スモーキーフレーバー漂う、少し大人のファンタジー

 まずは導入部となる『0.物語』を読んで頂きたい。
 まさかの二人称である。一人称でも三人称でもなく、問いかけてくるかのような二人称。テーブルトークRPGのGMが語り掛けてくるように、一気に作品に引き込んで行くスタイル。そして、それらを生かすのはやや重い描写力。これが油絵のように鈍重で力強さのある作品に仕上げています。
 この導入部でドキドキした人なら、是非この作品に目を通して欲しい。剣が盾に叩きつけられる音、そんな音さえ聞こえてきそうな、読み応えのある骨太なファンタジーがここにあります。ウイスキーのロックを片手にさぁどうぞ。
 
 

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