概要
やり遂げるしかない。人間たちに見つからないよう、この決死のミッションを
俺は『くねくね』。いわずもがなの妖怪だ。
田舎の村の中なんかでクネクネっとダンスを踊るのが大好きだ。だが、そんな俺の姿を『三秒間』見てしまうと、そいつには呪いがかかってしまう。
「くねくね~、くねくね~」
なんという悲劇。だから、そうならないよう、俺はいつも細心の注意を払っている。
だが、ある時に事件が起きた。
「これは、殺人事件か」
刑事たちが現場を検証する。殺されたのは地元の画家。そして、容疑者は現場に残っているのもわかっている。
「くねくね~、くねくね~」
しかし、力井戸(りきいど)とかいう問題の容疑者は、「くねくねの呪い」にかかったように、ずっと正気を失った素振りを見せている。
おかしい! 俺は、自分が呪いをかけてしまった相手のことは、全員ちゃん
田舎の村の中なんかでクネクネっとダンスを踊るのが大好きだ。だが、そんな俺の姿を『三秒間』見てしまうと、そいつには呪いがかかってしまう。
「くねくね~、くねくね~」
なんという悲劇。だから、そうならないよう、俺はいつも細心の注意を払っている。
だが、ある時に事件が起きた。
「これは、殺人事件か」
刑事たちが現場を検証する。殺されたのは地元の画家。そして、容疑者は現場に残っているのもわかっている。
「くねくね~、くねくね~」
しかし、力井戸(りきいど)とかいう問題の容疑者は、「くねくねの呪い」にかかったように、ずっと正気を失った素振りを見せている。
おかしい! 俺は、自分が呪いをかけてしまった相手のことは、全員ちゃん
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!冤罪の妖怪は戦う。認識の盲点を突いた都市伝説ミステリー
都市伝説の妙を感じました。ひとつの妖怪が認識のされ方でどんな解釈にもされえる。あるいは人間の流行り廃りによって都合良く別の妖怪にされてしまう。
その中で「くねくね」と定義づけられた主人公の、濡れ衣を晴らす物語。本来謎を解かれる側の、妖怪から真実に迫るのは斬新です。
小ネタに富んだギャグに乗せながら、認識の盲点がオセロのようにひっくり返っていくミステリー性は「逆転裁判」のような読み味で、快速でありながら謎を探求していく面白さがある。
web小説に特化した文体で非常に読みやすく、ミステリーが苦手な人の入り口となりえる作品だと思います。
公式でも取り上げられている作なので、折り紙付き。
どうか…続きを読む - ★★★ Excellent!!!事件を解明するのは刑事でも探偵でもない、妖怪だ!
とある村で殺人事件が起きた。容疑者は被害者の画家と顔見知りで、作品を買いに来ていたというが……言ってみればただそれだけの事件が、たったふたつの要素をもって怪事件と成り果てる。ひとつめは容疑者が妖怪くねくねを目撃して心神喪失状態にあるらしいこと。そしてふたつめは、当のくねくねがその場にいて、容疑者を知らないことだ!
冤罪で評判を落としたくねくねが名誉挽回のため事件の真実を明かしに行く。そのシンプルなのに意表を突いた導入でまず驚いて、くねくねが極々普通に人間っぽいことでさらに驚かされました。キャラクターを極端に突き抜けさせず、読者に近しく寄せているわけなのですが、それを特殊能力持ちな妖怪で…続きを読む