白いハトの帰るべき場所

ただ生きたいと願った。
だから少女は戦った。
この行為を誰が悪いと言えるのだろうか。

王国軍・特殊兵団に属する少女であるピジョンは、数多の戦場を生き残ってきた少年兵である。
少数民族から拉致されてきた少年たちに与えられる任務は、死亡率が９割を超える危険な任務ばかり。
そんな地獄から何度も生還することができたのは、絶対に生き残るという執念があったからだ。

戦争末期。
ピジョンら少年兵たちに命じられたのは、騎士団を撤退させるためのしんがり。
次々と戦車に踏み潰されていく仲間たち。
死の匂いがピジョンを濃く包み込んでいく。
そんな時、ピジョンの近くで爆発が起き、気を失ってしまう。

目を覚ました時、ピジョンはやけに静かな世界で立ち尽くしていた。