白いハトの帰るべき場所

種田自由

仲間たちと私を呼ぶ声

 気づけば少女はここにいた。

 少女が所属している王国軍・特殊兵団が駐屯している集落。

 その中心を通る道の真ん中に少女は立っていた。

 どうしてここにいるのか。

 その理由は覚えている。

 騎士団の撤退を支援するため、敵の足止めを命じられたからだ。

 もう何度目になるか分からない、必死の作戦に少女は出撃したはずだった。

 それなのになぜ、少女は道の真ん中で突っ立っているのだろうか。

 記憶が正しければ、少女は今朝この集落を出発したはずだ。

 周囲を見渡すと、耳元で白い髪が揺れる。

 気づけば白髪の少女は、大勢の少年少女たちに囲まれていた。

 みな目は虚ろで、肩を落としているので生気が感じられない。

 何かに誘われるように、ただ歩いている。


「みんな……」


 よく見れば、どの顔にも覚えがある。

 とっくに別れを済ませた初対面の仲間たち。

 しかし仲間がそちらへ行くのならば、自分の行く先もそちらなのだろう。

 そう思い、少女は手を引かれるように足を前へ進めた。


──ピジョン


 名前を呼ばれ反射的に振り向いた。

 視界が白く染まった。

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