寂しい此処

「あ、未唯。」


「なんですか?」


「明日、旅行に行く。場所は裏神社『彩り』だ」


彩り?


名前的に色んな神社が集結した


場所的な感じかな?


そんなことを考えていると慧さんは眉を寄せて


不機嫌そうな顔をしていた。


「どうしたんですか?」


「敬語」


「あ...すいません」


「早く帰るぞ。捕まれ」


そういうと慧さんは空を飛び始めた。


「え...」


「高いとこは好きか?」


「嫌いでは無いです...」


「そうか」


そういえば慧さんは鬼だっけ?


こんなふうに2人きりになると


普通の人間だと勘違いしそうになる。






「着いたぞ」


「ありがとう..」


「慧様、少しこちらの会議に参加してもらってもいいですか?」


「分かった。未唯、また1人でどっか行くなよ?」


「行くならイルムかルイを連れてけ」


「うん」


そう返すと慧さんは私に背を向け、


会議に向かってしまった。


正直言うと少し寂しい。


なんだか1人になるとここはこんなにも


静かになるのか。


私は疲れたから今日は寝ることにした。

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