森の奥の願い事

こむぎ

趣味巡り中に起こった不思議なこと

私の趣味は神社巡りだ。


とは言ってもただ単に鳥居の写真を撮って


お参りをして帰るだけ。


今日はこの森の中にあるいかにも不思議って


感じの神社に来てみたんだけど、


案外幻想的な景色かもしれない。


私はいつものように鳥居の写真を撮り、


鳥居をくぐると『パリン』と耳元で響いた。


私は驚いて周囲を見渡してみるも、何も無い。


気のせいかなと思い進むと


「お主、ここの結界を割ったじゃろ!!」


とたくさんのしっぽが生えた大きくて白い狐が


こちらに走ってきた。


しかも、人間の言葉を話している。


私が目を丸くしていると


「ほう。お主、我が見えるのか」


と言いながら口角を上げた。


私は視線を逸らそうと神社の神木に目をやると


葉っぱに白く光った文字で


何かが書かれているものが目に入った。


「なんで葉っぱに文字が...」


私がそんなことを呟くと


「それも見えるのか!お主、巫女になってみんか?」


「巫女って言っても仕事は簡単じゃないぞ?」


そう言って白い狐は次々と何かを話し始める。


余程お喋りが好きなようだ。

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