死んだはずの母
目を開けるとそこは先程見たような景色と
違い、桜に囲まれた神社だった。
私は辺りを見回していると
目の前に綺麗な女性の姿があった。
「ねぇ...貴方、名前は...?」
その人は見とれるほど綺麗な長い髪を
持っていて、白くつるつるとした肌だった。
私もあんな美人に生まれてみたかった。
「私は神崎未唯です」
「そう...。私は..凪」
「ねぇ、貴方この花────」
凪さんが何かを言いかけたとき、
凪さんの後ろの方に私のお母さんの姿があった。
「お母さん!」
私は凪さんを置いてお母さんの所へ向かった。
「未唯?貴方なんでここに?!」
「私の方こそ聞きたいよ!!なんでお母さん生きてるの?」
そう私の母は亡くなったはず。
なのに今ここで動いてる。
息をしている。
私を見ている。
「未唯、ここに来ては行けない」
「早くあそこから帰りなさい」
そう強い口調で私に帰るよう告げながら
白く光った鳥居の奥を指差した。
「でもまだ帰りたくな───」
「いいから早く帰りなさい!!」
私の母はこんなに怒る人じゃない。
私は母に怒られ無かったことが多いせいか、
今、とても怖い。
「....ずっと見てるから」
そう言いながら母は私を鳥居の奥に押した。
そしてまた光に包まれる。
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