荒廃と黒猫
本堂の奥は一面真っ白だった。
雪とかそういうのじゃなくてただ何も無い。
『無』の空間のようだ。
ふと奥の方に1匹の黒猫が見えた。
その黒猫も私に気づいたのか
私の所へトコトコと歩いてきた。
「よう、人間」
急にどこからか男性特有の低い声が聞こえた。
「え?」
「あ、俺だよ。目の前の俺」
まさかこの黒猫が喋ってる?
「いや酷いな〜目の前に居るのに気づかないなんて」
「まぁいい。特別にお前をいいとこに連れて行ってやろう」
いいところ?
なんか怪しい..。
「まぁまぁ怪しむなって」
「さっ、この先だ。着いてこい」
「夢神社に入ってくる人間なんて初めてだな〜」
ここに着くまでこの猫はずっと1人で喋っていた。
余程おしゃべり好きなんだろう。
なんだかイルムと話しが合いそうだ。
「お、着いたぞ。ここが俺の生まれの街、『荒廃した街』だ」
「荒廃した街?」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます