第3話 黒の審判の書

第二章「黒の審判の書」

そして門をくぐると昨日見た景色が目の前に広がった。この広い森のなかでで伝承の魔導書をなんの情報もなく探さなきゃいけないなんで砂漠の中に一粒の故障を探すぐらい大変なことなのでは?と気が付いた。一体どうしようかと思いその辺にある木の棒を取ってきて倒れた棒で行き先を決めようか。と思った。そして手に木の棒を持ってやろうとしたときに上羽がこうしゃべる。

「それでほんとうにやろうとするのー?だいじょうぶだよ!ぼくのやせいのかんにまかせるのー!」

「じゃあ任せた。きちんと従うから。」

ということで野生の勘を使って東に行くことにした。そしてしばらく歩き続けた先に謎のゴミ捨て場が置いてあった。なんとなく好奇心で近くに行ってみた。すると突然目が合い突然襲い掛かってきた。なんのことがわからず反応に遅れたが、そこに運よく湖があったから急いで飛び込んで湖の中で変身をした。

(宇宙(そら)に届け、光さす月虹)

くノ一に変身した。と同時にいきなり唱える。

(空破眼燃)

突然空が曇りになった。その間に太陽のエネルギーで相手を拘束させ、雲を割って太陽を背景に非常に大きな一振りを放ち、このまま叩き割った。完全に機能が停止したみたいだ。

すると唐突に背中が寒気をした。後ろを見たらまだたくさんいた。

「もしかしてこれが昨日言っていた欠陥品のことが...まずいなぁ囲まれちゃったよ。」

しょうがない。もう一つ唱えるか。

(禍福の女神)

今回の効果は...自分を爆発させ、周りを攻撃する技だった。その炎を纏い攻撃する。しかし火力がでかすぎで辺り一面が炎に包まれてしまった。どうしようかと思ったときに、近くから声が聞こえた。

「凍てつく氷よ...」

すると辺り一面の炎がいきなり氷となった。いったい誰がやったのかと思い周りを見渡した。しかし探しても誰もいない。不思議だったからここを後にして伝承の魔導書を探そう。と考えて変身を解除した。

その時だった。目の前に突然人が居た。

「うちはここにいるよ~」

フェイスベールをした神秘的な少女で儚い表情をしながら現れた。

「うわ!びっくりしたぁ...ああの広範囲のやつ全部君がやったの?」

「うん。そうだよ~でもまだまだうちの魔法は本気を全然出してないからね~」

(あんなに広く燃えていた炎でも一瞬で氷になるというのに、あれでも本気出していなかったのか...)

「すごいのー!でもぼくのほうがもっともーっとすごいの!」

そして話を切って探し物を尋ねてみた。

「ところで『黒の審判の書』の場所って知ってる?教えれたら教えて欲しいなぁ。」

すると意外な声が待っていた。

「せっかくだしここ最近退屈してたから一緒に行ってもいい?」

「え?どうして?別にいいけど。」

「ここの森の中でずっと一人で暮らしていたから、たまには刺激的な毎日が欲しいからね~それにその変身も興味があるからね~」

「確認するけど場所は知ってるの?」

「任せて~うちについてくればいいから~」

「たのもしいなかまがふえてうれしいのー!いっしょにきょうりょくしよ!」

「ちなみに名前は何で言うの?」

「うちはアメリア。本名はアメリア・グラス・ゴールドウェイクだよ~」

「アメリアちゃんって言うんだー。私は四月一日 椛。でこの蝶の名前は上羽って言うんだ。よろしくね。」

「いざ冒険にしゅっぱ~つ!」

心強い仲間が増えて助かっている。ただなぜ彼女がこの危険そうな森の中にいるのか疑問になりつつ、彼女についていくことにした。

45分ぐらい歩いたところで突然彼女が不穏なことを言った。

「あれ~?この道で合ってたっけ~確か前来たときはこんな景色なかったような~?」

大丈夫なのか?と一気に不安になった。

「あれ~?ここさっき通ったような~?」

本当に大丈夫だろうか...?

「ちょっと迷ったから地図を...あ」

「え?何?」

「地図家に忘れたかも~」

「それだいじょうぶなの~?」

正直心の中で終わったと思ってしまった。

「しょうがないからうちの記憶を頼るよ~」

そういえば一つ謎だったことがある。それをアメリアに直接言った。

「ところで何で伝承の魔導書を知ってるの?」

「じつはぼくもそうおもってたの。」

「実はその伝承の魔導書はうちが先祖代々伝わる家宝みたいなものだよ~」

「え?」

「へーなの。」

「持つだけでその人の願いを叶えてる魔導書と言われているよ~ただ悪用する人が居ないようにあえて危険な場所でうちが封印してるよ~。」

さらっと重要なことを言った。

「なんでふういんしてるのー?」

「その答えは、この魔導書はこの世界を滅ぼす可能性があるからね~。それに叶えるって言ってもその代償を必ず負うことになるからね~」

「でも何でそんな危険なものをアメリアが?」

「それはね~、うちの血統がどんな炎でも消えないしどんな刃物でも切ることが出来ない氷魔法が使えるからなんだよ~ この魔法は最上級なんだ~ だから親から任されたんだよ~」

「そうなんだ。だからドラゴンのような危険な生き物が居ても大丈夫なんだ。」

「基本的にうちの氷魔法で封印しているから奪われることはないよ~もちろん絶対にね~」

「代償ってどんな感じになるの?」

「それはね~」

話しかけた次の瞬間にドラゴンが突然襲い掛かってきた。

「このドラゴンやたらと攻撃的なんだけど...」

「あれうちの好物だよ~ 特に尻尾が絶品なんだよね~」

「こっちだよ~ドラゴンさん~ 今日のメインディッシュになっちゃうよ~」

すごい速さで空中に円を描いていた。最初は何がわからなかったが、だんだんとその意味が分かるようになった。水分だ。空中の水分を集めて、その集めた水分を魔法で凍らせた。これで出来たのが氷でできた刃だった。

その氷の刃をドラゴンの心臓に貫いた後に喉をザクザクと斬った。その瞬間、咆哮をしながら最後の力を振り出しながら攻撃をしようとしていた。しかしもう遅かった。もはや何もできないドラゴンが最期を悟ってから息を絶えた。そして血まみれになった氷の刃を持ちながらアメリアがこうしゃべった。

「ちょっと早いけどここでお昼ご飯にしよ~」

血まみれになりながら子供みたいなことを言ってて恐怖を感じた。

「ふぇぇ...こわいの...」

そして少し疑問を生じた。

「というかそのドラゴンって食べれるの?」

「このドラゴンの尻尾は絶品だよ~うちの大好物だよ~」

ドラゴンの尻尾なんてもの、初めて食べるなぁと思いながら少し期待していた。

「今から焼くからもう少し待っててね~」

「ここに火ないけど?どうやって焼くの?」

「実は低火力のちょっとした弱い火の魔法なら使えるの~」

「へぇ、いがいなの。」

「どうしてもドラゴンの尻尾を食べたくて幼少期の頃から頑張ったの~ じゃあ焼いていくよ~」

「ところで上羽って食事出来るの?」

「あなたのちをすえばべつにしょくじしなくてもへいきなの!でもどらごんのしっぽ、ちょっときになるの...」

「わたしの血美味しい?」

「とってもおいしいの!かんしゃしてるの!」

数分経った。とてもいい匂いが充満してた。もう焼けたみたいだ。

「焼けたよ~」

生まれて初めて食べる異世界での食事。感想としてはとても食べたことのない味がし、感動すら覚えた。

そして食べている間に魔導書の代償のことを話した。

「さっき話せなかったけど代償って何が起こるの?」

「それはね~ あの魔導書の代償は~ 機械化に失敗した人造人間...欠陥品と同じ醜い姿にだんだんなっていくことだね~ それも長い年月をかけてなっていくよ~」

いくら願いを叶えるためだけに自ら進んで機械化に失敗した欠陥品と同じ醜い姿になるのか...と感じた。

「ちなみにこの代償の情報は外部に知らされていない極秘情報なんだよ~ うちらだけが知ってる情報を教えたからあなたは相当運がいいね~」

「でも何でまた教えてくれたの?」

「多分あなたはこことは異なる世界から来たからでしょ~ なんか面白そうと思って極秘情報を流してみたよ~」

「そんなノリで大丈夫なの?もし今裏切ったらどうするの?」

「その可能性はないと自己分析したよ~本当に裏切るなら今ここにいないからね~」

「つまりちょっと試されていたのか?」

「そういうこと~ここにいる人は少ないからちょっとだけ試させてもらったよ~」

「そんなにここにいる人は少ないの?」

「あのでかい都市で生涯を終える人のほうが多いよ~」

と話が終わり再び伝承の書を探す旅を再開した。それから一週間が経過し、そこに謎の洞窟を見つけた。薄暗い中妖しく光っていたものがある。その中に行って触ってみると光るものが氷で出来た魔法ということが分かった。めちゃくちゃ寒く、上羽が今にも気絶しそうだった寒さの中でアメリアちゃんだけ平気だった。ということは封印しているのはここなの?言った。すると

「洞窟の中はあのドラゴンとは比べ物にならない強い魔物が居るよ~でも自分から攻撃をしない限り襲ってくることはないよ~」

つまり攻撃しなければ大丈夫か...でもそれ抜きにしてもこの寒さで生きて帰れるのかな?と思いながら突き進む。

そして深く暗い洞窟に入った私たち。そこで待ち受けるものとは?

「…ここまで来るのに苦労したが、向かってくる敵はすべて殺した。すべてはデイビーズ・ザック様の意のままに...」

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