第四章 「天地四時」

第四章「天地四時」

扉を開け、その先に合ったものは、拘束された上羽の姿だった。しかし後ろに堕天使が3人も増えていた。

「先に名乗らせてもらおう。私の名前はゲブリュル・フェズンツ・アイだ。その上羽は私のご褒美だ。受け取れ。勝負はそれからだ。」

と言って拘束されている上羽の縄をほどき私の元へ返った

「私は不公平な勝負はしない主義だからな。公平に戦おう。この「護㸚螺桜渦丸」に賭けて!」

そう言いながら堕天使が刀を抜くと何とも言えない緊張感が襲い掛かってきた。肌がピリピリする感じがこの巨大な体を持っている堕天使から伝わった。私は本能で神速のような速さで後ずさりをし、みんなの安全を確認した。すると堕天使から

「大丈夫。私はあなたしか狙わないから。」

と言ってきた。私は空中に『?』の文字を思い浮かべながらそういえばなぜ上羽を返してもらえたのかを質問しなければという思いがあり私は必死な表情をしながら堕天使に向かって叫んだ。

「それは一体どういうことなんだ!もしかしたら私をだまして堕天使たちが攻撃を仕掛けるんだろ!?」

と声を荒くしていたところ、なぜか上羽が質問に答えた。

「あのね...たすけてくれたのはほんとうなの...それでね...」

上羽が質問に答える前に背の高い堕天使がこんなことを言いながら割り込んできた。

「早くあなたと戦いたいからさぁあ!見せてよその変身を!」

と息を荒くしていたので私はとりあえず変身をすることにした。

「じゃあ行くよ?上羽」

「うんわかったーいつでもいいよー」

と上羽が準備の用意をしてくれたので私はいつでも変身できることができた。

(宇宙(そら)に届け、光さす月虹...)

一瞬のうちに姿が変わり変身をした。すると堕天使が

「いいね!やっぱり戦いはこうでなくじゃ楽しめないよねぇ!」

とまるで狂戦士みたいなことを言い出したので私は少し驚きをしたが、すぐに体制を立て直し私は二つの刀を使い堕天使に攻撃をした。

「これがアンタの実力なのか!?甘いなぁ!」

私の二刀流をいとも簡単に弾かれて、まるで私は赤子のような気分だった。相手の持っている刀はめちゃくちゃ巨大で、私の刀よりも大きい。そのことはわかっているが、どうしても聞かなければいけないことがあるので私は戦うしかない。その覚悟はもちろんできている。

(空破眼燃)

私はいきなり技を出し、牽制をした。まずは相手の様子を見るところから始めないとこの戦いにおいて何が起こるのかわからないからだ。相手の堕天使に太陽のエネルギーを送り拘束させた...しかしなぜか徐々に割れてきてついには私の技が破れさってしまった。もしかして力で割ったのか?と聞いてみると堕天使がその質問に答えた。

「?そうさ。すべて私のこの筋肉でアンタの変なエネルギーを割っただけだよ。私に頼れるのはこの筋肉のおかげさ。」

とんでもない化け物に遭遇してしまったようだ。果たしてこの堕天使に私は勝つことができるのか?いやそれとも...などと考えていたら今度は堕天使の方から攻撃を仕掛けられた。

「もう終わり?なら今度はこっちの番だねぇ!」

もうダメだと思った瞬間、巨大な堕天使の動きが止まった。私は何故なんだろうと考えて周りを見渡した。すると斧を持った堕天使らしき人物が私たちの戦いの中を割り込んできた。

「何するんだアンタは!勝手に私たちの戦いに入り込んで何をする気なんだインスティンクト・アプリコット!」

突然荒げた声を出し、そのでかい刀を堕天使ののどに突き付けた。その様子からこの堕天使はあまり地位が少ないと私は予想した。もちろん予想だから当たる確率は少ないだろう。...いやそんなことよりもこの堕天使は一体どこから出てきたのか?様々な疑問が生まれるがまずは堕天使を倒さなければいけないと、色々大変なことになりそうと思ったので質問せずに堕天使に向かって刀で攻撃をする。そう...その音は雷のように。そして斧を持った方の堕天使に私の攻撃がヒットし、一瞬体制が崩れたが何ともないような表情をして私の方を睨んでいる。そうしていたらむっつーたちが

「その斧を持っている堕天使はあたしに任せてわたっちーはあのでかいやつを倒してよ!」

私は何も言わずにうなずき目の前のでかい堕天使を倒すことにした。

(禍福の女神)

何が出るのかわからないギャンブル性のある技だ。いったい何が起こるのか少し不安になった。そして出した能力は...広範囲にキノコを飛ばすというものだった。

「ということはそのキノコを使って寄生することで相手を弱らせるってことだよね?多分だけど」

「ぼくきのこにくわしくないからわからないよー」

「えーとつまり相手の肺とかにきのこを寄生する攻撃っぽいよ?結構えげつないね。」

と上羽に対し相手に聞こえないように小声でしゃべった。私と上羽にしか見えないきのこの胞子を出して堕天使の方に寄生し、その間に攻撃をすることで私が優先的に勝てるかもしれないと思った。それに相手はまるで気が付いていないようだ。少し不公平な気がするがしょうがないので私は刀を突き刺した。しかし...

「何されたのかわからないが、私はこんなところで這いつくばるわけにはいかない」

と言い私の刀を掴み、手がだんだん裂けてきた。寄生しているはずなのに力強く武器を奪われてその辺に投げ捨てられてしまった。堕天使だからなのか血は全く出ずにその代わりなのかアルコールのにおいをした液体が刀に付着した。私は慌てて刀を確認したけどとりあえず大丈夫そうだ。私の体に影響がないただ少し酔ってきた気がする。でも本当にそれだけだ。どうやら堕天使の体は酒でできているみたい。それは置いておいてなぜまだ力が残っているのかという少しだけの恐怖を味わい、私は堕天使と普通の人間の違いを改めて実感した。しかし私は迷うことなく堕天使に刀を向けた。

「いいのか?私の方に刀を向けて。後ろにいるやつが何なのか当ててみようか?それは...」

なぜか堕天使がそんなことを言ったので恐る恐る後ろを振り返るとそこにいたのは青い炎を纏っているゴリラの形をしたものだった。

「そのゴリラはいま私が作り出した幻影だ。だが伝えてももう遅い。ゴリラの握力でお終いだ。」

ゴリラの拳が当たる直前にギリギリだが私の刀で防いだがそれでも強かったのかかなり後ろに吹っ飛ばされた。あの拳は危険だ、という私の中の信号が読み取れた。するとゴリラの手から青い炎を宿した剣が出てきた。

「次から次へと...一体これはなんだ!?私の予想をはるかに超えていることが多すぎるよ...」

「アクセルという名前のゴリラは私が一番かわいがっている大切なものなんだ。もし傷を少しでもつけたら私が許さない。...しかし2対1の戦いをしても可哀そうだしそうだなぁ...」

しばらく堕天使は考えていた。しばらく沈黙が続き、むっつーたちが

「ちょっとそこ何しているの?あたし今大変なことになっているのに!?」

私はあることを思い出していた。

「じゃあちょっと待ってて...(地神の黎明に染める天照よ...呼び覚まして!)」

すると私の周りに土が囲まれてだんだん私に近づき、そして砕け散った。そして見た目に変化がありその見た目とは最初の印象は...さっきよりも露出度が増した服装でまるで踊り子みたいだ。へそが出ている。瞳の色は赤色で足は片足ニーソの色は白色。スリットの部分はターコイズブルーで上の服は透明なレースの服に肩を出した半袖のTシャツで長い黒手袋をしている。正直さっきよりも防御力が落ちた気がする...

「なるほど...これがあなたの最終形態ということなのか。なら私は敬意を表する。本気で行くぞ。」

私はどうすればいいのかわからなかった。いったいどんな能力があるのかもわからなかった。手のひらをふと見てみると握っていたのは『土』だ。なぜかわからないけど私の手に土がある。すると突然弓の形になった。その弓を使い堕天使に攻撃してみたが、あとわずかのところで地面に消えてしまい私は唖然とした。

「私に届かなかったら意味がない。さぁ次はどうする?」

しかし私は微かだけど何か音みたいなのが聞こえた。その音がだんだん大きくなりいつしか大きい音になっていった。

「さっきからなんだ?このだんだん大きくなっている音は一体どこから出てくるんだ?私がいいっていうまでそこで大人しく待っててアクセル。」

青いゴリラがじっと待機しているとその間に堕天使が私に向って刀を振り下ろし、まるで制裁をするように攻撃をしてきた。すると地面に消えたはずの矢が突然現れてシャワーのように堕天使達に襲い掛かった。

「うわ!なんだこれ!もしかして私のこの土の能力で矢を擬態していたっていうことなのか?」

堕天使が自分のことを気にせずにあの青いゴリラを心配しながら呼びかけていた。

「アクセル!大丈夫か?私が付いているから大丈夫だ!もう安心しろ!」

(何だ?矢が勝手に自動追跡しているのか?まさか無意識に操っているのか?全然わからない...)

「...なるほど。これがあなたの能力というわけなのか。しかしもう次は無い。ある程度見切ったからな。」

私は堕天使が今言っていることを無視しながらあることを考えていた。それはまだ私のこの能力について一つもわかっていないからだ。だからかなり集中をし、技を見極めている。そして色々考えていたが多分考えるよりも行動に移した方がいい気がしたのでとりあえず目の前のことに集中した方がいいような...と思いむっつーの方を振り向いてみた。すると小規模な炎を出していた。いつの間にか暴走をする奴に変身していたみたいだ。しかし様子がおかしい。普段は私に気が付くぐらいの大規模な炎が何故か今回は抑えられている。そんなに暴走もしていないし何なら普段よりも落ち着いているという印象だ。私は疑問に思いながらむっつーのところへ寄っていった。

「どうして今落ち着いているの?何か今までよりも落ち着いているから心配したよ~いったい何があったの?もしかして私のせいでこうなったの?」

「お...落ち着いてよわたっちー。あたしは今明鏡止水の気持ちがなぜかあるからあたしもびっくりしたよーなんでだろう?」

などと言っていたら斧を持った堕天使が私たちに向かってこう叫び、挑発をしている。

「おい!まだ勝負している最中になにお友達と喋っているんだよ?早くこっちにこいよ!それとも俺が怖くてお友達としゃべっているのかぁ~?」

という感じで絡んできたが、私たちはそれを無視して二人の堕天使を倒そうと意気込みをしている。そんなところに上羽が私の耳にあることを呟いていて、その内容のことで少しびっくりしたけどとりあえず今はそれどころじゃないので置いといて目の前にある堕天使達を倒すことの方が重要なのでその話はあとにして...

「大分待たせたね!今からあたし達の正真正銘、本気の連携技を見せる時が来たみたいだね!」

「(なんで暴走をしていないのか分からないけど)まかせてよ!目の前の堕天使達を倒して普通の変わらない生活を送りたいからね。まず誰から倒す?」

「あたしは両方相手出来るよ。だからいらない心配はしなくても全然いいよ。」

そう言ったので私たちはただ堕天使達を倒しアトラスの野望を止める。ただそれだけの事だけの旅なのだが、その最中に色んな事があったしこれからもたくさんあるだろう。だから私は歩み続ける。私の人生を

(...毒薬の弾丸)

最初に毒で相手の視界を悪くし、その間にむっつーが如意棒を使い堕天使を打撃した。しかし堕天使は何もなかったように起き上がった。

「何だぁ?周りが見えねぇなぁ~それに何か音もしたしなぁ~ なら今度はこっちの番だぁ!?...あれ?どこに行きやがった?」

私はこれを待っていた。この私の能力、それは土を操る事。つまりこういうこともできるということもできるんだ。斧を持って居る堕天使は頭が悪そうだから私はその能力を使い皆から一旦土をドーム状にして身を隠し、隙を突いて私の刀を使って脳天に目掛けて狙いを定め、

光の速さのような剣さばきをして堕天使を跡形もなく消し飛んだ。

「うん...あいつはそんなに強いほうではなかったからな...でも二人掛かりで襲っても私のパワーでお見舞いしてやるよ!」

その大太刀を使い私たちに襲い掛かってきた。私たちが変身をしても屈することも臆することもなくそのまま猪みたいに突っ込んでいく。私も臆することなくわたっちーと協力して土と炎の合体技を考えていた。それは...

「行くよわたっちー!まず土を出して!」

「分かったよ!むっつーは広範囲に炎を出してよ!」

すると堕天使が足を止めて

「...一体何をしているんだ?」

と呟いていた。そして私は既に勝利をつかんでいる。

「今作り出したのは即興で作った溶岩だよ。気が付いてももう遅い。急速に冷えた溶岩であなたは足を拘束しているんだ。」

「な...う...動かん...こんなもの、私が簡単に砕いてやるわ!」

その堕天使が足の力を重点的に使い、冷えた溶岩を砕いた。その隙に私たちは唱えていた。

(第六天・空破眼燃)

(残心黄昏斬り)

私たちのコンビネーション技が炸裂し、堕天使の体が真っ二つに別れた。

私たちはあの怪力堕天使に勝てたんだ...という実感がわき嬉しかった。しかしほかの堕天使達の姿が見えない。どこに消えたのか周りを見渡してもその姿が全く見えなかった。どうしてだろうかと考えまさか...そんなわけはないと思いたがった。あいつが来るまでは...

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