女媧蝶ヒメシロ

それからしばらくし、饅頭を頬張りながら大学へ行った。すると上羽が


「こんなにまんじゅうがすきなんでしらなかったの。いがいなの。」


と会話をしたので私も疑問に思ったことをぶつけてみた。


「そういえばあの白い蝶と知り合いなの?名前は確か...」


「ヒメシロっていうの。ぼくのおさななじみなの。」


「へ~幼馴染なんだなー...幼馴染?」


「そうなのー ぼくたちはあきもとにはさからえないのーあのひとがぼくたちのおやだからなのー」


唐突に衝撃な事実を言った。秋朝の言っていた幼馴染がまさかこんな近くにいるなんで...それに秋朝が上羽の親だったなんで。正直最初は何を言っているのかわからなくて理解するのに時間がかかった。そして畳みかけるように上羽がこう言う。


「あとらすもそのなかのひとりだったの。でもだてんしちゃったからいそいでさがしていたの。」


「それでなんで私なんかを使って探せているの?秋朝だけでもいい気がするけど...」


「あきもとはたしかにかみのようなちからをもってるけどね、あとらすはだてんしちゃったからかみだけのちからじゃおえないの。」


「秋朝も言っていた天使とは別の存在になるってことだよね?つまり私の力を加えれば天使とか関係なくアトラスを捕まえられるってことで合ってる?」


「そーゆーことなの!」


「じゃあアトラスが今どこにいるのかわかるの?」


「いまはゆくえーふめーなの...」


「行方不明ねぇ...」


数分会話を続けると、後ろからデカい声で


「今何話してたの?わたっちー」


遅れてやってきたのはむっつーだ。そしてあの白い蝶と共にしている。


「その白い蝶と一緒にいるんだね。」


というと蝶が突然しゃべりかけた。


「さっきから白い蝶と言っとるが、わらわは『女媧蝶ヒメシロ』じゃ!ちゃんと聞いておったか?」


「あー...饅頭に夢中になっててそんなに名前聞いていなかったかもしれない?」


「ふざけおって!そんな饅頭より、わらわの名前を絶対に覚えろなのじゃ!ほれ!同じ白でもこ~んなに違うんじゃ!」


と言いながら地面に足を何回か叩きつけた。思ったよりもめんどくさい性格をしている。これは大変なことになりそうだと考えながら気が付くと大学へ着いた。


「へー!もみじのがっこうけっこうおおきいのー!なかでいろいろなことができそうなの!たのしみなの~」


「なんじゃ!こんなところよりももっといい場所をわらわは知っとるぞ!でもマダラが行くならわらわも行くとするのじゃ。ほれ、さっさと案内をせんか!」


と言ったから私たちで大学内を案内した。案内をある程度し終わったら二人は人の気配がしないところで蝶の姿になりカバンに隠れていた。それからしばらくし、授業が終わり今日はたまたま午後1時半に帰ることになった。蝶がカバンの中から話かけた。 


「じゅぎょうのないようこっそりきいてたの~ そんなにむずかしくなかったの!」


「あれが人間の授業というものなのじゃ?一体どこが難しいのじゃ?」


流石は天使だ。人間には到底かなうことがなさそうだ。正直私はあの授業の内容は理解ができなかった。だから余計に私たちとの違いを重く感じ取れた。そしてむっつーが


「そういえば今日親いないから泊まっていい?それに暇だから。もちろん課題も一緒にやっていいよね?」


と言ってきたため、私はオッケーと伝えた。夜にはまだまだ遠い。今夜はパーティーでもしよう。ふとアメリアちゃんが神社にいることを思い出しどうやって説明しようか考えながらゲーセンに足を運んだ。...だんだんと日常が崩れることを私たちはまだ知らなかった。


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