するりと入り込んでくる導入部から明かされるのは、「無限に続く水族館」という、童話のような世界。けれど、そこに閉じ込められているというのであれば話は別で、さらには様々な謎が主人公の周りに。「水族館」という場所の選択が、物語全体にとても素敵で、少し不穏な響きを与えています。空間に浮かぶ言葉のやりとり、その響きまでも届いてきそうな静けさと、先の見えない不安と期待。主人公の気持ちが、伝わってきます。予想がまったく追いつかない物語ですが、描写の美しさに魅かれていることもあり、ますます先が気になります。
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