この小説には、引きこもりのブラコン美少女ケンタウロス(胴体・後ろ足担当)、他人の不幸を啜る縁切り大明神シスター、普通にストーカー、などの個性豊かなヒロインが登場します。
そんなクセのあるヒロインたちと本作の主人公、綾野礼くんが笑いに溢れた日常を送っていく……というところのみにこの小説は終わっていません。
過去の出来事、人間関係、出会い、境遇、そういったものがこれらの登場人物をゆるく、あるいはきつく縛り、大いに悩ませています。そんな悩みを持つヒロインたちが、どこか捉えどころのないような、しかしヒロインたちに少し似ている主人公と関わり合っていくことで、共に成長していくという物語でもあります。
礼くんとヒロインがお互いに関わっていくことによって、ともに、または多くの人と悩みを乗り越えていくその過程に、登場人物たちの変化や成長を感じとても愛おしい気持ちになれます。
登場人物の成長が好きな方、思春期男女の悩みが好きな方、やべー女が好きな方、おもしれー主人公が好きな方にはぜひ読んでみて欲しいです。