綺麗な文体で、透明感のあるお話だったなぁという印象です。とにかく綺麗で幻想的。詩のような童話のような。精霊の少年と、少女のちょっと切なさが漂う恋物語。薄いガラスの中に閉じ込められたかのような、ちょっとした衝撃で壊れてしまうのではないか、というような緊張感とあやうさ……私はそれを感じながら読み進めました。
各話が綺麗にまとまって読みやすく、透明で神秘的な空気感に、じっくりと浸れます!幻の花を追い、少女は恐ろしい森へ――そこで出逢ったのは?『月狩りの森』という、印象的な名前の森。そこは、けして近づいてはいけないと言われる、怪異な森。迷い込んだ少女。その少女に恋をした、精霊の少年。詩的な文章でつづられたヨーロッパ調の世界観が、妖しくも美しい。精霊は、思いつづけることの純心さの象徴でしょうか。この小説は、独特な、透きとおった印象を、胸に与えてくれました!
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