プリンツ・オイゲン一代記

華やかな欧州貴族の世界史は、実はかなり
策略と血に塗れた歴史だった……とはいえ
この作品は、小難しく複雑な欧州史を
軽やかに笑い飛ばして巡る事が出来る。
　これは　プリンツ・オゲイン・フォン・
サヴォイエン＝カリグナン　という
　一人の男の、華麗なるキングメーカーの
類稀なる一代記である。

作者の歴史的知識の豊富さには舌を巻くが
まさか日本史のみならず世界史までも、
しかも、最も複雑を極める欧州のコアな
歴史に斬り込んで行くのには驚かされる。
　そして更に驚くのは、この複雑怪奇な
歴史が面白可笑しくすんなりと入って来る
その筆致によるものだろう。しかも作者の
描く物語は、とても心を温かくす…続きを読む

　これは、プリンツ・オイゲンと呼ばれた実在の人物についてのお話です。オイゲン公はある人物に、自分のこれまでの人生経験の一部を語り始めます。

　でも、堅苦しいことは一切なし。

　読んでいると、「え、そんなことが……！」「うわ、大変だったんですね……」と、気のいい先輩の体験談を聞いているような親近感を覚えます。

　歴史に造詣の深い方も、そうでない方も楽しめるこの物語を、是非。

歴史物ではありますが、重苦しさのない文体によって描かれることによって魅力的で楽しい物語になっておりました。

プリンツ・オイゲンの名前は知っていても、どのような人物か知らない人というのは結構多いのではないかと思います。
ちなみに私は、概要に書いてあるマリア・テレジアと関係ある人物ということさえ知りませんでした。
そのような人でも楽しみながらプリンツ・オイゲンについて知っていくことができます。

プリンツ・オイゲンや欧州の歴史に興味がある方は、是非読んでみてください。

歴史ものを嫌煙されている方、ちょっとお待ちなさい。

これは歴史ものですが、作者様の力量で、難しい話無し！　前提知識不要！

オーストリアの大英雄が、不遇の立場から成り上がるまでの物語を面白おかしく描いています。

ギャグのような会話や、悲惨な状況もコミカルに描かれていますので、笑いながら読めます。

フランス訛りを独特な表現で笑いに変える等、本当に面白いです。

歴史好きでも、そうでない方にも是非お勧めです！

また、オイゲンの史実の話も勇気付けられる話です。

その辺のチート小説より面白いので、その入り口としてもぜひ読んで下さい！

このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む（407文字）

プリンツ・オイゲンというヨーロッパ近世の名将――英雄がいます。
特にオスマン帝国の大軍相手のゼンタの戦いや、ペーターヴァルダインの戦いなど、戦績はめざましいものがあります。
だがいかんせん、この国ではあまり知られていません。
そこでどういう人か知りたいなと思ったあなた、こちらの作品をご覧ください。
オイゲンという英雄のすべてではありませんが、彼の名将としての「はじまり」のあたりの、その足跡をたどることができます。
しかも面白い！

ぜひ、ご一読を。

ではではﾉｼ