第17話 ツンツンなあの子とデート当日(1)
愛とデートの約束をしてから、あっという間に土日になった。
結局、デートの日は土曜日になったので、休みにしては珍しく早起きをした。
「もう7時か...いつもなら10時くらいまで寝てるから、なんか変な感じだ...。」
デートのために前々から用意していた無地の白シャツ、黒のパーカーに黒いズボンを履く。
「あとは...あ、これこれ。」
貯めていた金で買った、シンプルなネックレスを付け、自分の今の姿を鏡に映す。
「なんか、変な感じ...めっちゃ陽キャみたいな...。」
スマホをいじったり、髪をセットしたり。いろいろな準備をし、気づけば約束の10時近くになっていた。
「そろそろ行くか...。」
家族には出かけると言ってある。デートだろ、とからかわれたが、事実なので言い返せなかった。
「なんか...おしゃれしすぎか?ダサい可能性も...いや、自信持つか...。」
集合場所につき、スマホを触りだす。
後ろから冷たい何かが当たる。
「うわっ!?」
「あっはは、おはよ、冬流。」
「愛か...びっくりさせんなよ。」
「ごめんごめん、はいこれ、飲み物。」
愛が俺のために買っていてくれていたコーヒーを差し出す。
「コーヒーか、サンキュな。あとで代わりになんか奢るわ。」
「良いって。その代わり、楽しませてよね?」
「あ、あぁ、てか...」
愛の全身を見る。スラっとした足が見える少し短めのスカートに、灰色の服、ベージュのカーディガンを羽織って、いつもはロングの髪をポニーテールにしていた。
「に、似合ってるな...。」
「何急に、あ、もしかして、デート初めて?」
「あ、まぁ...。」
「へぇ~?なら、リードしてあげちゃおっかな~。」
愛がさりげなく手を握る。
「あ、愛?」
「ん?」
「いや、その、手。」
「別にいいじゃん?カップルみたいだし?」
いやいや、付き合ってもない男女は手なんか繋がないだろ。え?繋ぐのか?俺は知らないけど、今どきの男女ってそうなのか?
「お、おぉ...。」
「緊張しすぎ、ウケる~」
二人でショッピングモールに入り、愛の目的の店に着く。
「ここは?ネックレスとか多いな。」
「でしょ?あたしの大好きな店なんだよね。これどう?似合う?」
愛がネックレスを首にかざし、俺に見せる。
「あ、あぁ、似合うぞ。すごく。」
「...。あ、ありがと。」
「これはどうだ?愛に似合いそうだけど。」
「え、冬流センスいい!このネックレス可愛い~。」
俺が見せたネックレスを嬉しそうに受け取り、眺める愛。
昔の愛もこんなキラキラした目してたな...。
「冬流?どう?」
「え、あぁ、すごく似合うぞ。」
「あ、ねぇ、こっちのは?」
「おぉ、こっちも可愛いな。」
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デート回です!
二回に分けて書こうと思っているので、次のお話もお楽しみに!
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