第14話 ツンツンなあの子を看病

「おかゆ作ってくれと言われたから、作ったぞ~。」

「ありがと。」


愛におかゆを作り、部屋にもっていく。


「普段料理はするが、結構苦手だからな。期待はするなよ?」

「うん、でも、結構美味しそーじゃん。」

「そうか?なら良かった。」


愛がじっとこちらを見ているのに気づく。


「どうかしたか?」

「ううん、何でもないよ。いただきまーす。」

「あぁ、美味しいといいけど。」


愛が一口食べる。


「ん、美味しいじゃん。」

「そうか、良かった。」

「人に料理作ったの、初めて?」

「そうだな、これが初めてだ。」


愛が質問をしながらも美味しそうに食べてくれている。良かった。


「冬流ってさ。」

「どうした?何か質問か?」

「今あたしと居て、楽しい?」

「え?」


急な質問に驚く。


「だってほら、健太君?と居る時はすごい笑顔だけど、あたしの時は笑顔じゃないじゃん?」

「あぁ、えっと...。楽しいかって聞かれたら、楽しいって思うよ。」

「そっか。」


愛がまた食べ始める。

今の答えはあれでよかったのだろうか?


「ん、ご馳走様でした。」

「皿、どうすればいい?」

「シンクに置いといて、あとで洗うから。」

「そ、そうか、ならそろそろ帰るな。」


帰ろうと立ち上がった瞬間、愛に服を掴まれる。


「え?」

「ごめん...けど、もう少しだけ...だめ?」

「え、あ、あぁ...わかったよ。」

「ありがと。」


30分ほどすると、愛からすー、すー、と聞こえる。


「愛の家の鍵持ってないし、今日は帰れそうにないか...?愛起こすのも悪いし...。せっかくだし、洗い物でもしておくか。」


立ち上がり、愛の家の台所に行き、洗い出す。

だが、あっという間に洗い終わってしまい、する事もないので愛の部屋に戻る。


「こう見ると、やっぱ顔整ってるよな...。」


愛は昔から周りの人に美人と言われ育ってきた。今でも顔は整ってるし、出るところもちゃんと出ている。


「って、どこ見てんだ俺...。」


愛から目を逸らし、スマホを開いてゲームを始める。


「そろそろやめるか...って、もう21時か。早いな。」


本当だったら家に帰るべきだが、愛に居てほしいと言われたからには仕方ない。

そう思って目を閉じ、眠りにつく。

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