第18話 ツンツンなあの子とデート当日(2)

愛とショッピングモールに入ってからあっという間に2時間が過ぎていた。

一緒にファミレスに入り、メニューを見る。


「ねぇ、冬流は何食べる?」

「ん~...俺はパスタとか...?」

「あたしもパスタにしようかな...カルボナーラとか?」

「おぉ、カルボナーラ美味いよな。俺は好きだぞ。」


愛と料理を注文し、運ばれるのを待つ。


「冬流さ、本当にデート初めて?」

「え?いや、初めてだけど...なんか変だったか?」

「変っていうか...ほら、待ち合わせ場所の時、あたしの服褒めてくれたじゃん?」

「あ、あぁ...なんか嫌だったってことか...?」


愛の料理と俺の料理が運ばれる。


「来た!早く食べよ、いただきまーす」

「い、いただきます。」

「さっきの話に戻るけどさ、あたしからしたら、服褒めてくれるのって結構嬉しいんだよね。」

「お、おう。」


パスタを口に運びながら相槌を打つ。


「だから、慣れてるのかなって思って。あの時はめっちゃ照れてたから初めてなんだろうなって分かったけどさ。」

「服褒めたのはその...素直に似合ってるなと思ったから...。」

「...!ば、バカじゃないの?ちょっと恥ずいんだけど...。」


愛の照れ顔を見るのはいつぶりだろうか。小さい頃みた以来だな。

あっという間にパスタを完食し、愛も食べ終わる。


「ちょっとお手洗い行ってくるね。」

「おう、待ってる。」


愛が席を外したうちに会計を済ます。一回やってみたかったんだよな、これ。


「ごめんごめん、戻ったよ。」

「おう、行こうか。」

「お会計割り勘ね?」

「もう払ったから。」


驚いた顔を浮かべた愛を見て、クスっと笑ってしまった。


「さっき払っといた。」

「何それ...まぁ、ありがと。」

「おう、気にすんな。」

「代わりに、次はあたしが払うからね。」


愛がムッと頬を膨らませながら言う。


「良いって、自分のために使ってくれ。」

「払わせて!じゃないとあたしが嫌だし。」

「分かった、分かった。なら、ジュースはどうだ?」

「...。なんか違う気がするけど、冬流がジュースって言うなら...」


俺の好きなコーヒーを貰う。


「サンキュ、てか、待ち合わせの時もコーヒーくれたよな。」

「あ、確かに、じゃあ、それも合わせてチャラね?」

「分かった。」

「早く冬流の家行こ!格ゲーってやつやりたい、あ、お菓子も買お?」


俺の家に向かって歩き出す。愛の満面の笑みを見て、俺の頬が緩む。


――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

18話、デート回の続編です!

前回二回に分けると書きましたが、冬流のお家デート(?)は入らなさそうなので次のお話にさせてもらいます!期待していた方には申し訳ない...orz

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ツンツンなあの子がデレデレになるまで 夜鴉黒 @yogarasu_kuro

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