第2話 ツンツンなあの子と一緒に(?)下校

「じゃあ、今日のHRは終わりな、すぐ帰るように」


HRが終わり、皆続々と荷物をまとめて帰っていく中、健太は真っ先に俺のところに来た。


「な、なぁ、冬流...隣の女子の目つきが怖い...」

「そうか、睨み返してやったらどうだ?」

「お前何言ってんだ!ただでさえ嫌われてるのに...」

「確定したわけじゃないだろ、眠かったとか恥ずかしかったとか色々ありそうだけどな」


荷物をまとめて、学校を出る


「なぁ、一緒に帰ろうぜ」

「まぁ、いいけど」


健太の家は俺の家から徒歩10分で着く、意外に近いので中学生時代から一緒に帰っている。


「冬流の隣、中学の時引っ越した幼馴染だっけ?帰ってきたんだな」

「確かにな、めっちゃ素っ気なかったけど」

「確定したわけじゃないだろぉ?」

「...俺の真似すんな」


わざとらしく吐息多めの俺の真似に思わず肘で小突いた。


「それじゃ、ここでな」

「おう、」

「また遊ぼうぜ、詳しいことはメールで送るわ」

「ん、分かった、それじゃ明日な」


健太と別れ、帰路につくと、見覚えのある女子がいて


「あれ、愛じゃん、どうした、具合でも悪いか?」

「は?別に何でもない、それじゃ」

「ちょ、ちょっと待てよ」

「何?きもいんだけど」


うっ...鋭すぎるナイフが...


「せっかく家近いんだし、その...一緒に帰ったりとか...」

「もじもじしないで、きもいから、あと、一緒に帰らないし」


全否定だ...悲しい...


「わ、分かった...」

「あとさ、離れて歩いてくれる?」

「な、なんで?」

「彼氏とかと勘違いされたらどうするの?」


これ以上何かを言う勇気は俺にはないので、静かに歩く速さを遅くする。

その後愛は、少し小走りで帰って行ってしまった...


「俺、やっぱり嫌われてるのかな...」


そんな事を言いながら俺は自室のベッドに寝転がり、そのまま寝てしまった

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る