カーテンコールは、復讐を告げる。

卓越した演技力により女優として大成したエミリアは、クララ・フォン・ハインリヒという本当の名前を持っている。かつて貴族の家に生まれながら、冤罪による両親の処刑という憂き目に遭い、落ち延びてその身を偽って暮らしていた。

そんな彼女の前に、謎めいた若き紳士ルーカス・フォン・シュトラウスが現れる。彼は「君の素性を知っている」と告げ、復讐の手引きをすると提案する。そして、エミリアが『賜物（タラント）』を持つ者として知られる『恩寵者（ヴィルトゥオーソ）』であると明かす。

ルーカスもまたタラントを持つ者であり、彼の『言霊の筆』は書き記した文章を現実にする力を持っていた。エミリアのタラントである『真実の響き』と組み合わせれば、二人は大きな力を発揮できる。しかし、それには『自分を捨てる』という不可逆な代償…続きを読む